日立製作所は9月8日、京都大学基礎物理学研究所から、理論物理学における大規模計算用途のスーパーコンピュータシステム「理論物理学電子計算機システム」を受注したと発表した。同システムの理論ピーク性能は90.3TFLOPSで、来年1月4日から稼働を開始する予定。 同システムは、日立のスーパーテクニカルサーバ「SR16000 モデルXM1」107ノードで構成され、ノード間は1秒当たり4GB×2のデータ転送が可能なInfiniBandで接続される。各ノードが128GBのメモリを有するほか、1秒当たり8ビットのデータ転送が可能なファイバーチャネルを16ポート搭載することで、外付けのミッドレンジディスクアレイ「Hitachi Adaptable Modular Storage 2300」2台(実効容量は計115.6TB)と接続する。 同研究所では、物質の諸性質や基本法則を理論的に解明することを目的に理論
8月22日から24日にかけてスタンフォード大学で開催されたHot Chips 22において、中国科学技術院のWeiwu Hu教授が「GS464V」と呼ぶ512ビットのベクトルエンジンを持つプロセサを発表した。 GS464Vプロセサについて発表するWeiwu Hu教授 中国は2006年から2020年にかけて16の主要分野にそれぞれ50〜100億ドルを投入して開発を行うという国家計画を遂行しており、その中でもCPU and OSは第1位の重要性をもつ分野であるという。なお、第2位はVLSIプロセステクノロジで、それ以外の主要分野としては、核融合炉、大型航空機、水質汚染のコントロールと水処理、有人月探検などが入っている。 GS464VのGSはGodsonの略で、Godsonプロセサは2002年のGodson-1から開発が始められ、2008年にはGodson-2Fプロセサが商用化されている。そして
日本アイ・ビー・エムは9月14日、ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)分野のアプリケーションに最適なラック・マウント型x86サーバの新製品「IBM System x3755 M3」を発表した。同製品は従来モデルに対し、設置スペース当たりの処理能力が約4.4倍に向上している。 IBM System x3755 M3 同製品は、2Uサイズの筐体にAMD製の最新12コア・プロセッサ「AMD Opteron プロセッサー 6100シリーズ」を最大4個搭載できる高密度設計となっている。6コア AMD Opteron プロセッサーを最大4個搭載できる4Uサイズの従来モデルと比較して、設置スペース当たりのプロセッサー・コア数が4倍に増加し、処理能力が約4.4倍に向上している。 4Uサイズの従来モデル2台分の処理能力と同等以上の処理能力を2Uサイズの同製品1台で実現できるため、従来より設置スペ
次世代スーパーコンピュータ「京」の開発主体である理化学研究所は、NECに対し損害賠償を求める民事調停を東京地方裁判所に申し立てた。NECは業績悪化を理由に昨年5月、プロジェクトから途中で撤退していた。 理研の監督官庁である文部科学省は7月28日、民事調停を申し立てたことを明らかにした。文科省の中川正春副大臣は会見で「国として資本を投じてきた。ああ、そうですかとはならない」と語り、NECの撤退で生じたプロジェクトの損害を取り戻したい意向を示した。ただ、民事調停は非公開のため、申し立ての具体的な内容については説明しなかった。 理研が求める賠償額は数十億円とみられる。関係者によると理研がこれまでベクトル型スパコンの開発に投じたのは86億円であるという。理研はその負担の一部をNECに求めるようだ(図)。
富士通が「PRIMERGY BX922 S2」をベースとする最大演算能力38.3テラFLOPSのシステムを提供している。 東京大学 先端科学技術研究センター(東大先端研)と富士通は8月5日、がん治療の抗体医薬品の基本構造設計を目的にスーパーコンピュータを構築し、稼働を開始したと発表した。再発や転移したがんに対して副作用の小さい第三世代の抗体医薬品を短期間で開発するという。 構築したスーパーコンピュータは、インテル Xeonプロセッサ X5650を搭載する富士通のブレードサーバ「PRIMERGY BX922 S2」を300ノード(600CPU)で構成したPCクラスタシステム。最大演算能力は38.3テラFLOPSとなる。ストレージに「ETERNUS DX80」5台を備えており、RAID6での実効容量は1ペタバイト。ノード間のネットワークはInfiniBand QDRを採用した。 東大 先端研は
従来のGPUは定数やテクスチャ用のキャッシュを持っていたが、これらはCPUで言えば命令キャッシュのような読み出しオンリーのキャッシュで、書き込みが行えるデータキャッシュを持っていなかった。このため、高速に読み書きが必要なデータはローカルメモリに配置し、必要に応じてGDDR DRAMで構成されるグローバルメモリとのデータの入れ替えを行うというプログラムを書く必要がある。この点は、PS3に使われているCellプロセサの同様で、ローカルメモリをうまく使えば高い性能が得られるが、プログラミングが難しい、面倒という批判がある。 これに対して、NVIDIAのGF100(開発コード名:Fermi)では各Streaming Multiprocessor(SM)が持つ64KBのローカルメモリをシェアードメモリ部分と1次データキャッシュ部分に分割できるようになった。この分割はシェアードメモリを16KBでキャッ
NVIDIAは7月16日、都内でGPUコンピューティングに関するセミナー「GPUコンピューティング 2010」を開催、基調講演には同社FeloowのDavid B.Kirk氏、および東京工業大学でGPUスーパーコンピュータ「TSUBAME2.0」などに関わる学術国際情報センターの松岡聡教授と同青木尊之教授の3名が登壇した。また、セミナーに併せて、DELLやIBM、NEC、マイクロソフト、フィックスターズなど35社のメーカーがブースを構え、自社のGPUコンピューティングソリューションの展示を行うなど、各社ともにGPUコンピューティングに一目置いていることが窺えた。本レポートでは、Kirk博士の「GPU Computingが劇的に変える科学技術の未来」と題した講演した内容をお届けしたい。 あらゆる分野で活用が進むGPUコンピューティング NVIDIA FeloowのDavid B.Kirk氏
東京大学(東大)および国立天文台(NAOJ)は、共同開発し国立天文台三鷹キャンパスに設置されたスーパーコンピュータシステム「GRAPE-DR」が電力あたりの性能のランク付けを行うGreen500プロジェクトが発表した2010年6月の「Little Green 500 List」で1位にリストされ、世界トップの電力あたり性能を実現していることが認定されたことを発表した。 GRAPE-DRシステム GRAPE-DRは、HPLベンチマークで1Wあたり815MFlopsの処理性能を実現。これは、現在世界最高速のオークリッジ国立研究所(ORNL)のスパコン「Cray XT6システム」の約3倍の電力あたり性能を達成したこととなる。 測定に使ったシステムは、 GRAPE-DRシステム全体のうち64ノードで、 1ノードはGRAPE-DRボード1枚、Intel製CPU「Core i7-920」、 ASUS製
HPは7月8日、x86サーバ「HP ProLiantサーバー」の新世代機「Generation 7(G7)」のラインナップを拡大し、4ソケット/8ソケットの“SMPサーバ”を発表した。HPC(High Performance Computing)やCAE(Computer Aided Engineering)といった科学技術計算用途での「計算ノード」としての利用を想定する。 新世代サーバーとSSDカードの概要 今回発表されたのは、サーバー3モデルとカードタイプの高速半導体ストレージ1種。「HP ProLiant DL580 G7」は、インテルXeonプロセッサー7500番台搭載の4ソケットモデルで、価格は121万650円から。「同DL585 G7」は、AMD Opteron 6100シリーズ搭載の4ソケットモデルで、価格は110万3550円から。「同DL980 G7」は、インテルXeonプ
日立製作所は7月9日、科学技術計算分野向けサーバ「SR16000シリーズ」の新モデル「SR16000 モデル XM1」(以下、XM1)を追加すると発表した。 SR16000 モデル XM1 XM1ではプロセッサーにIBMのPOWER7を搭載。消費電力あたりの性能は、従来モデル「SR16000 モデルL1」の約4.6倍となる433MFLOPS/ワットを実現している。 1ノードあたりのプロセッサー数は4個、メモリは最大256GBまで搭載可能。最大接続ノード数は512で、最大構成時の理論ピーク性能は432TFLOPSとなり、従来モデルの約2倍を実現している。 OSはAIX。デフォルトの冷却方式は空冷だが、高効率熱交換水冷リアドアもオプション提供している。 価格は個別見積り。7月12日から販売が始まり、11月1日より出荷が開始される。
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