オススメ本をもちよって、まったりアツく語り合う。 本を通じて人を知り、人を通じて本に会う。「わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」の、「あなた」と「スゴ本」が続々集まってくる。読書半径を拡張させ、既知だが未読を動機づけ、切口の斬新さに驚く。 今回のテーマは「山」。山と渓谷社さんのご協力で、モンベル渋谷店にて開催する(ヤマケイさん、モンベルさん、ありがとうございます)。いわゆる登山をテーマにした定番から、参加者のお父さんの登攀日記(モノクロ写真付き)、生活の場としての山、異界や霊場としての山、さらには墜落現場や地殻変動の場として、さまざまな「山」が紹介される。 多くの方が強力に推したのが、沢木耕太郎『凍』。壮絶な登山をされてきた山野井夫妻のノンフィクションなのだが、簡潔ながら迫力ある描写に呑まれるように読み干してしまう。わたしが一気に読んだとき、血の味に気づいた。クライミングの