前回記事、エンディング手前で急転直下な事態が勃発して「次号に続く!」という、『東京リベンジャーズ』アニメ第1期最終回みたいな展開でした。 というわけで「移民と難民の違い」です。いやぁそれは字を見りゃわかるよ、移民は平常時の移住者で、難民は緊急避難的な……と思われるでしょうけど、特に「移民」という語にどういうイメージを持つか、日本とドイツでは大きな差があります。 そのへんを踏まえておかないと、ドイツをまっとうに称賛も非難もできないように思うのです。 最近のドイツ人にとって「移民」といえば、まずはEU内での移住で発生する欧州系住民のイメージです。実際、ドイツへの移民・移住者の国籍を調べると、だいたいEU民なんですね。要するにもともと生活文化的に共通性の多い人たちで、ゆえに「移民」というキーワードだけで論争勃発! となることもほとんどない。 対して「難民」は、主に中東などから政治的な問題がらみで
そもそも移民難民というテーマが「言説強化のためのネタ」に成り果てており、ドイツでの実績や教訓についても、自陣営にとって都合の良い部分だけをピックアップし、針小棒大に膨らましてアジテーションするだけ、という状況が半ば固定化しています。 あの論争の延長上に何かまともなものが生じるようには思えませんが、それはそうと、移民流入・定着後にドイツ人が本当に「移民の受け入れは失敗だった」と思っているのかどうかは、意外と検証されていません。 「アイデンティティが危機!」という反発はドイツにもある 受け入れてみて実際ヤバかったのかそれとも案外いけたのか。そのへん単なる主観的一例っていう前提でいいからインサイダー的見解を教えて欲しい、と文春オンライン編集氏に言われ、確かにこの観点でのドイツ自己分析は日本であまり見ないし、コロナ直前までドイツと日本を行ったり来たり二重生活していたからあっちの実感もわかるし、それ
「Wir schaffen das!」(我々はやれる! ) 2015年8月31日、メルケル首相が恒例の夏の記者会見で発した言葉だ。このたったの3つの単語が、以後のドイツ社会を、いや、EU全体を徹底的に変えてしまう。 【写真】日本人は知らない…中国の「990万人コロナ検査」で見えたヤバい事実 その頃、中東からトルコ経由でギリシャに入り、そこから陸路で北上した難民たちは、ハンガリーで先に進めなくなっていた。 EUでは難民に関することを定めたダブリン協定というものがあり、ハンガリー政府は、自国に入ってきた難民をそのままオーストリアに出すことを禁止されていたからだ。 そこでメルケル首相はドイツ国境を開き、ハンガリーの中東難民を、数の制限を付けずに引き取ると決めた。しかも、国会に問うことも無しに。 9月4日には、難民がとめどなくドイツに流れ込み始めた。すると、ハンガリーにいた難民だけではなく、ありと
ギリシャ北東部カスタニエスから国境を挟んで撮影したトルコ側で待つ移民たち(2020年3月2日撮影)。(c)Sakis MITROLIDIS / AFP 【3月3日 AFP】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は2日、移民「数百万人」が同国経由で間もなく欧州に向かうと警告した。欧州連合(EU)の指導者らは、トルコのシリア侵攻を支持するようEUに圧力をかけているとして、エルドアン大統領を非難している。 トルコは先月末、難民や移民がトルコ経由でEUに向かうことを容認する可能性を示唆。以降、ギリシャと接しているトルコの国境地帯には大勢の移民が集まっており、2015年に欧州で政治問題となった移民の大量流入に発展するのではないかとの懸念を引き起こしている。 ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は、トルコの動きは「受け入れ難い」
ドイツ中部ヘッセン州カッセル県で2日に殺害されたワルター・リュブケ県知事の葬儀(2019年6月13日撮影)。(c)Swen Pftner / POOL / AFP 【6月18日 AFP】2週間前にドイツで移民擁護派の地方政治家が殺害され、全土に衝撃を与えた事件について、当局は極右思想が背景にあるとみている。 独中部ヘッセン(Hessen)州カッセル(Kassel)県のワルター・リュブケ(Walter Luebcke)県知事(65)が2日未明、県内の自宅前で至近距離から頭を銃で撃たれて死亡しているのが見つかった事件で、当局は「政治的暗殺」だとの見解を明らかにした。 連邦検察は、勾留中の45歳の男がリュブケ氏を殺害したとみている。男の氏名は、シュテファン・E(Stephan E)とのみ発表されている。 検察は「容疑者の経歴や、公に発してきた主張や見解」を挙げて、「右翼過激派の背景があるとするに
ドイツ・カッセルで取材を受けるワルター・リュブケ県知事(2012年2月25日撮影)。(c)Uwe Zucchi / dpa / AFP 【6月10日 AFP】ドイツで今月、移民擁護派の地方政治家が自宅で射殺される事件があり、これを歓迎するヘイトスピーチ(憎悪表現)がインターネット上にあふれている。ドイツ政府は7日、ヘイト投稿を強く非難した。 【あわせて読みたい】「ロヒンギャへのヘイト拡散」 フェイスブックに批判 ホルスト・ゼーホーファー(Horst Seehofer)内相は「もし誰かが、リベラルな見解を持っていたというだけですさまじい憎悪の対象となるのなら、それは人間らしい道徳観が衰退しているということだ」と独日刊紙ターゲスシュピーゲル(Tagesspiegel)に語った。 殺害されたのは、独中部カッセル(Kassel)県のワルター・リュブケ(Walter Luebcke)県知事(65)。
アフリカからヨーロッパに向かう難民があとを絶たない地中海で、貨物船に救助された難民が船を乗っ取る事件があり、ヨーロッパの国々で難民への風当たりがさらに強まることも懸念されています。 ところが、貨物船がそのまま目的地のリビアに向かおうとしたところ、救助された難民の一部が乗組員を脅して船を乗っ取り、地中海の島国マルタに向かわせたということです。 このため通報を受けたマルタの軍が沖合で、貨物船に乗り込んで船を奪還し、港まで移動させて女性や子どもを含む難民や移民全員を下船させ、数人を拘束したということです。 地中海ではアフリカからヨーロッパに向かう難民や移民があとを絶たず、NGOなどが救助活動を続ける一方、ヨーロッパの国々は受け入れに慎重な姿勢を見せ始めていて、なかでも右派政党が連立政権を組むイタリアは厳しい政策をとっています。 事件を受けて、イタリアのサルビーニ内相は「彼らは遭難した人々ではなく
欧州に押し寄せる難民の受け入れをドイツのメルケル首相が決断してから3年が過ぎた。その後、難民排斥を掲げる右翼政党が台頭したものの、国内では4人に1人が職を得て社会に溶け込んでいる。経済界からは送還が決まった人々の引き留めを求める声が上がり、政府も検討を始めた。(グンタースブルム=高野弦) ドイ…
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