多岐に渡る表現手段の中で、いちばん魅了されたのが映像、映画だったのです 美しい構図とカメラワークで描かれる、抒情あふれる映像群。楊(ヤン)の紡ぐ作品世界はどこか幻想的であると同時に、現代中国に生きる人々の心の中を旅するようでもある。近年はそのスタイルやモチーフにも広がりを見せるアーティストを、日本初個展が行われている東京で取材した。 聞き手・文:小山ひとみ ——今回展示される5作品は制作年も様々ですが、作品に共通するテーマはありますか。 「生命、生存、生活」、これらがはっきりとは目に見えなくとも、各作品に内在していると言えます。ある人は非常に積極的に物事に向き合うかもしれない。また、別の人は非常に消極的かもしれない。受けた教育やバックグラウンド、社会に対する理解というのは人それぞれ違います。各々が成長過程において信じるべきものをつかみ、その信念に従って行動していく。それは、非常に意義のある