東京・上野動物園のジャイアントパンダの赤ちゃんが11日、急死した。雄と判明しただけで、まだ名前すらなかった“パンダ君”。誕生から6日後の悲報に多くの人が落胆した表情を見せたが、地元商店街では「夢をありがとう」と書かれたポスターが登場。「ぜひまた赤ちゃんを」と期待する声も聞かれた。【柳澤一男、山崎征克、大沢瑞季】 「ただただ残念」 赤ちゃんパンダの死後、東京都庁で記者会見した上野動物園の土居利光園長は言葉を詰まらせて何度も涙をぬぐった。福田豊副園長も目を真っ赤にして「繁殖が難しい動物だとつくづく感じた」。その言動が、6日間の苦労を物語っていた。 同園の担当獣医、原樹子(たつこ)さんによると、パンダの赤ちゃんは初産だと6〜7割が1週間以内に死んでしまうとのデータがあるという。多いのは母親の下敷きになったり、のどに何かを詰まらせるケース。飼育員らは24時間体制でモニターを監視し、母親が赤ちゃんを