自作を語る・堀禎一監督② ──── 『東京のバスガール』 →堀禎一監督特集 part1 小川芋銭画伯のユーモラスな河童画でその名を知られる茨城の牛久・龍ヶ崎で撮影させて頂いた。『下妻物語』でその名をご存知の方も数多くいらっしゃるかも知れない。両市フィルムコミッションにはピンク映画であったにもかかわらず、たいへんなご協力を頂き、おかげさまで、北関東の農村の名残を色濃く残すおおらかな雰囲気のなかで、「おねえさん」曰(いわ)く「佐藤は大人のホンを書く」という佐藤稔(みのる)さんの台本も相まって、とても楽しく撮影することが出来た。牛久・龍ヶ崎地区は東京・千葉のいわゆるベッドタウンの印象が強いが、古来、利根川水系の水運の中心地として栄え、龍ヶ崎の「龍」の字が示すように、流れの強いかなりの難所でもあったらしい。俳優の吉岡睦雄くんの吉岡くんにはもったいないくらい賢く、また可愛らしい奥さまのご実家も龍ヶ崎