弥生時代後期に女王卑弥呼の邪馬台国と戦った狗奴(く・な)国の位置を探る企画展が、6日から吉野ケ里歴史公園(神埼市郡)で始まる。邪馬台国九州説ならば熊本など九州中・南部地方、畿内説ならば東海地方が有力。両地域の遺跡からの出土遺物を一堂に展示し、比較して所在を考える。 狗奴国は中国の史書「魏志倭人伝」に2カ所登場する。邪馬台国の南にあり、男子を王とし、狗古智卑狗(く・こ・ち・ひ・こ)という長官があり、女王の国に服属していない。卑弥呼と狗奴国の男王卑弥弓呼(ひ・み・こ・こ)は対立しており、常に交戦状態にあった。卑弥呼は朝鮮半島にあった魏の帯方郡に使者を送り、調停と援助を依頼している。 邪馬台国北部九州説の論者は、狗奴国を、肥後国球磨郡から日向、大隅に至る後の熊襲(くま・そ)の勢力範囲と一部重なると推察する。 狗古智卑狗を「菊池彦」と読み、肥後国菊池郡と関連づけるのも根拠のひとつだ。この地方