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ブックマーク / synodos.jp (22)

  • 「論理的思考」の落とし穴――フランスからみえる「論理」の多様性/『「論理的思考」の社会的構築』著者、渡邉雅子氏インタビュー - SYNODOS

    「論理的思考」の落とし穴――フランスからみえる「論理」の多様性 『「論理的思考」の社会的構築』著者、渡邉雅子氏インタビュー 社会 「ロジカル・シンキングを身につけよう」「これからの教育に必要なのは論理的に話す・聞く・書く能力である」……論理的に考え、書いたりプレゼンテーションしたりする能力はビジネスや教育分野でもてはやされ、現代では欠かせないスキルとして広くうたわれている。 しかし改めて考えると、「論理的」とはなにか? 「論理的」であることは何に立脚しているのか? どこでも共通する普遍的なものなのか? 『「論理的思考」の社会的構築』を著した渡邉雅子氏は、「「論理的」だと感じる思考や論理の型は、実は文化によって異なっており、それぞれの教育の過程で身につけていくものだ」と指摘している。稿では、「論理」の多様性やその社会的構築過程、小論文教育から見えるフランス独自の論理のあり方、日におけるア

    「論理的思考」の落とし穴――フランスからみえる「論理」の多様性/『「論理的思考」の社会的構築』著者、渡邉雅子氏インタビュー - SYNODOS
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    tweakk 2021/09/22
    なるほど〈共和国型〉の政治教育ということか。“熟慮し、多様な意見から新しい視点を導き出すための市民性形成の教育として、ディセルタシオンは哲学の議論の方法をモデルに創られました”/ドイツはまた違いそう
  • ドイツのネットワーク執行法で変わったことと変わらないこと――違法なコンテンツの排除はネット上の発言をどう変えたか/穂鷹知美 - SYNODOS

    ドイツのネットワーク執行法で変わったことと変わらないこと――違法なコンテンツの排除はネット上の発言をどう変えたか 穂鷹知美 異文化間コミュニケーション 国際 ドイツでは、ソーシャルネットワーク(以下SNSと表記)上のヘイトスピーチや偽情報の急増を背景に、「ソーシャルネットワークにおける法執行を改善するための法律」が2017年に制定されました。格的な運用から3年余りの歳月がたちましたが、この法律はどのような効果をSNS上や社会にもたらしたのでしょうか。また、運用後明らかになった課題などはあるのでしょうか。稿では、このような素朴な疑問をもとに、この法律をとりまく現状やドイツ社会の変化について観察・考察してみます。 ※この法律の邦語の略称として「SNS対策法」や「SNS法」という表記が使われる場合もありますが、稿では「ネットワーク執行法」という表記を用います。 ※稿では現在のEUでの標準

    ドイツのネットワーク執行法で変わったことと変わらないこと――違法なコンテンツの排除はネット上の発言をどう変えたか/穂鷹知美 - SYNODOS
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    tweakk 2021/04/30
    この4月に連邦刑事庁への通報義務や刑罰の強化の改正が施行されたんだが、言及ないな
  • 「近所」というフロンティア――地元観光のすすめ/吉永明弘 - SYNODOS

    2020年度は大学人にとっても想定外の年度となった。私は今学期、一回しか大学に行っていない。あとはすべて自宅でオンデマンド式の講義を行った。授業を録画してそれを配信し、視聴してもらうというやり方だ。しかしこれでは出席も取れないし、双方向のやりとりができない。そこで出席を兼ねて質問をメールで受け付けたところ、例年のコメントペーパーよりも気度の高い質問が多く届いた。それに長文の返事をすると、再びメールが来て、何度かやりとりが交わされる。実はオンデマンド授業のほうが、対面授業よりも個々の受講生と「対話」する機会が増えている。去年までの、特に大人数の授業の場合は、対面といっても実際には「講師」と「聴衆」であり、教員と話をすることなく学期を終える学生が少なくなかった。 そんなわけで、講義については、オンデマンドでもメール等を用いれば何とかなる(ある点では授業が改善される)ことがわかってきた。問題は

    「近所」というフロンティア――地元観光のすすめ/吉永明弘 - SYNODOS
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    tweakk 2020/07/28
    犬の散歩してて感じる
  • 機密情報ネットワーク「ファイブ・アイズ」――日本、韓国、フランスと連携/平井和也 - SYNODOS

    機密情報ネットワーク「ファイブ・アイズ」――日韓国、フランスと連携 平井和也 人文科学・社会科学系の翻訳者(日⇔英) 国際 1月26日(日)に共同通信が、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドという英語圏5ヶ国の機密情報ネットワーク「ファイブ・アイズ」に、新たに日韓国、フランスを加えた「拡大版」の枠組みが発足した、というニュースを報道した。この共同通信の記事では、「中国へのけん制をにらんだ情報共有の枠組みに発展させる構想もあるという。米国は英語圏5ヶ国に友好国を加えた「ファイブ・アイズ+(プラス)」の拡大枠組みを通じて対抗することを目指している」と報じられている。 「ファイブ・アイズ」といえば、1946年に、当時のソ連と東欧の衛星国に対する監視を主な目的として英米間で機密協定が交わされ、後にカナダ(1948年)、オーストラリア、ニュージーランド(両国とも195

    機密情報ネットワーク「ファイブ・アイズ」――日本、韓国、フランスと連携/平井和也 - SYNODOS
  • 「不自由展」をめぐるネット右派の論理と背理――アートとサブカルとの対立をめぐって/伊藤昌亮 - SYNODOS

    2019年8月、「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が右派からの抗議を受け、中止に追い込まれるなか、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』のキャラクターデザインなどで知られるクリエーターの貞義行が発したツイートが物議をかもし、炎上するという一幕があった。 「キッタネー少女像。/天皇の写真を燃やした後、足でふみつけるムービー。/かの国のプロパガンダ風習/まるパク!」などというその発言には、リベラル派からの激しい批判を中心に、千件を超えるリプライが付けられる一方で、右派からは続々と賛意が寄せられ、2万件近くもの「いいね」が付けられた。そうしたなか、貞は釈明のツイートを投じていったが、するとそれに受けて5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)には関連するスレッドが立てられ、その援護が試みられた。 「不自由展」の検証委員会によれば今回の騒動は、「電凸」などによる抗議が「祭り」に転

    「不自由展」をめぐるネット右派の論理と背理――アートとサブカルとの対立をめぐって/伊藤昌亮 - SYNODOS
  • 日本のプラスチックごみの行方を知って、冷静な議論を/小野恭子 - SYNODOS

    このところ、海洋プラスチックごみが海の生物などに与える影響に注目が集まっている。このため、使い捨てプラスチックの代表格とされるレジ袋が全面的に有料化されることになったという。しかし、この因果関係、何かおかしくない?と違和感を持った。 海洋プラスチックごみは、海岸で、または、海中に漂っているうちに摩耗して、マイクロプラスチックになる可能性がある。そのため、海に流出するのを極力防ぐことが重要である。そのため、プラ製レジ袋をもらわず、ペットボトルの飲み物を買わないという行動は一定の意義があると思う。しかし、海洋プラスチック問題解決のため使い捨てプラスチックの使用量を減らす、まずはレジ袋削減から取り組むと言われると、ちょっと待てよ、という気がしたのだ。 ここでは日は海洋プラスチックごみをどのくらい排出しているのか、そして日のプラスチックごみはどのように処理されているかをまとめ、プラスチックリサ

    日本のプラスチックごみの行方を知って、冷静な議論を/小野恭子 - SYNODOS
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    tweakk 2019/11/14
    普通に考えれば分かりそうだが
  • ヒップホップ・モンゴリア、あるいは世界の周縁で貧富の格差を叫ぶということ/島村一平 - SYNODOS

    ヒップホップ・モンゴリア、あるいは世界の周縁で貧富の格差を叫ぶということ 島村一平 文化人類学・モンゴル研究 文化 貧富の格差や政治腐敗といった社会問題にするどく切り込むドキュメンタリー『モンゴリアン・ブリング』が、今月17日渋谷にあるミニシアター、アップリンクファクトリーで初めて上映される。日初公開にあわせ、今をざわめくモンゴル・ヒップホップとその厳しくも驚くべき社会・文化的背景を解説しておこう。 「ヒップホップの発祥地は、モンゴルなんだよ」 映画の冒頭、民族衣装(デゲル)で身を固めた中年の男が大真面目に語る。どこかの国のとんでも起源説みたいだと切って捨てるのはたやすい。しかし、そう思わせるような文化的背景がモンゴルにあるのは事実だ。実はこの男は、れっきとした伝統的な口承文芸の担い手、ユルールチ(祝詞の語り部)である。 彼の「ヒップホップ・モンゴル起源説」については、あとで検討するとし

    ヒップホップ・モンゴリア、あるいは世界の周縁で貧富の格差を叫ぶということ/島村一平 - SYNODOS
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    tweakk 2018/06/11
    “モンゴル語の場合、音節言語だし、二重子音や三重子音も普通にある。そして何よりも彼らは韻踏み合いの伝統を今に残している。遊牧民であった彼らは、書いて残す文学よりも口で語る口承文芸を発達させてきた”
  • 現代美術のハードコアはじつは世界の「宝」である/東京国立近代美術館・主任研究員 保坂健二朗氏インタビュー - SYNODOS

    東京・竹橋の東京国立近代美術館で、『現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展 ヤゲオ財団コレクションより』という、ちょっと変わったタイトルの展覧会が開かれている。ヤゲオ財団は、世界トップクラスの美術コレクションを持つ台湾の財団で、理事長のピエール・チェン氏は大手パッシブ(電子部品)メーカー、ヤゲオ・コーポレーションのCEOを務める実業家でもある。展では、約400点のコレクションから74点が展示される。特徴は、「美術史的価値」と「経済的価値」とを並行して提示しているところだ。そのような試みができるのは作品がどれもミュージアム・ピース(美術館に収められてしかるべき一級品)だからであるが、「なぜこの作品が何億円もするの?」という素朴な疑問を一緒に考えようとしてくれた展覧会は今までになかったような気がする。企画者である保坂健二朗さんに話を聞いた。(聞き手・構成/長瀬千雅) ―― ヤゲオ財団コ

    現代美術のハードコアはじつは世界の「宝」である/東京国立近代美術館・主任研究員 保坂健二朗氏インタビュー - SYNODOS
  • まだ続く「知ろうとすること。」/早野龍五 - SYNODOS

    福島で被曝線量の測定に取り組んできた原子物理学者、早野龍五氏。原発事故から6年あまり。科学的には福島に住んで大丈夫と言えるようになったこと、しかし、科学だけでは解決できない問題が多く残っていることなど、著書『知ろうとすること。』以降の展開も交えてお話しします。「はこだて国際科学祭参加プログラム」(2017年8月27日)での講演を抄録。(構成 / 片瀬久美子) 早野です。日は『まだ続く「知ろうとすること。」』というタイトルでお話させていただきます。2014年に糸井重里氏とともに『知ろうとすること。』というを出しましたが、今日はそのの内容に加えて、出版後3年間の展開についてもお話もしたいと思います。 最初に基的な知識を説明しておきます。福島第一原発事故で飛散した放射性物質の影響についてです。原発事故の後、放射性物質が大気中に飛び散り、雨とともに地面に落ちました。その放射性物質が今でも地

    まだ続く「知ろうとすること。」/早野龍五 - SYNODOS
  • 早野龍五教授最終講義「CERNと20年福島と6年 ―311号室を去るにあたって」 / 早野龍五 / 物理学 | SYNODOS -シノドス-

    2017.03.21 Tue 早野龍五教授最終講義「CERNと20年福島と6年 ―311号室を去るにあたって」 早野龍五 / 物理学 2017年3月、物理学界・福島において、数々の功績を残した早野龍五・東京大学教授が退官を迎える。早野教授の最終講義が行われた3月15日夕刻、東京大学の小柴ホールには、大勢の人々が集った。福島の人々は「物理学者・早野龍五」を、物理学界の人々は「福島に力を注ぐ早野先生」を、それぞれ初めて見ることになった。講義後のカクテルパーティでは、福島から酒樽を担いできた人と、世界的な物理学者とが、和気藹々と盃を交わす光景が見られた。(構成/服部美咲) CERNで20年、福島で6年というタイトルでお話をいたします。 たまたま私の大学の居室は311号室です。この数字には何か因縁を感じます。大勢の方々、恩師、学生、同僚、そして日は女性の比率が多い。物理の最終講義でこれほど女性が

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  • 貧困の基準はどこにある?――「貧困女子高生」報道から考える/大西連 - SYNODOS

    貧困の基準はどこにある?――「貧困女子高生」報道から考える 大西連 NPO法人自立生活サポートセンター・もやい 社会 #貧困女子高生 経済的な理由から専門大学への進学をあきらめた女子高校生が、「現実を変えるために、子どもの貧困は日にも存在するのだと理解してほしい」とNHKのニュース番組で訴えた。しかし、インタビュー中に映り込んだ彼女の自宅の文房具や、彼女のものと思われるSNSで1000円以上のランチべていた様子から「貧困ではない」と判断した人々が、NHKの捏造であると批判。国会議員までもが言及する騒ぎになった。そもそも、「貧困」とはどのような状態を指すのだろうか。その定義ついて、生活困窮者の相談支援に携わるNPO法人もやい理事長大西連さんにお話を伺った。(構成/山菜々子) ――今回の騒動では、「放送局の捏造だ」「1000円のランチべずに、貯金をしろ」「一度働いて専門学校にいけば

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  • 地下資源に群がる精霊たち――モンゴルにおける鉱山開発とシャーマニズム/島村一平 - SYNODOS

    俺に故郷を残しておいてくれ、わが祖霊よ! わが望みは金ではないことをわかってくれ。 自分のためだけに生きるのはやめてくれ モノやカネの前にひざまずくなよ、おまえら 俺はこの大地の主だ。伝え継いできたわが祖先たちよ 今の今まで他人にとられてこなかった大地を、最後に 子孫たちは、モノやカネの交換できるってことを知った。 俺はついてない男だ。まったく運のない男だ。 父が俺に命を授けてくれたとき、決して俺を見捨たりはしなかった。 だが、俺たちは自分の子供や孫たちのことを忘れちまった。 カネだけがあればいいんだよって、バヤラグ(豊かさ、資源)(注1)を売っちまった。 富や資源っていうが、物質的なものばかりを探し求めているだろう? でも当の豊かさバヤラグ(豊かさ、資源)ってもんは、その大地の下になんかに、ねえぞ。 おまえの血、おまえの知恵、おまえの大地。そしてその地に育つ植物。 それが物の豊かさバ

    地下資源に群がる精霊たち――モンゴルにおける鉱山開発とシャーマニズム/島村一平 - SYNODOS
  • 英語は「地味」だから居心地がいい――英米文学の味わい方を知る/英文学者・阿部公彦氏インタビュー - SYNODOS

    学部選択に悩む高校生に専門分野を解説!人気コーナー「高校生のための教養入門」。今回は英米文学です。英語は地味な学問? 「詩」の定義ってなに? 高校生が英文学の小説を読むなら19世紀? 英文学の味わい方のあれやこれやを阿部公彦先生にお話を伺いました。(聞き手・構成/山菜々子) ――先生はどういう高校生でしたか。 まったく地味な生徒でした。ぼくの学校は静岡にある中高一貫の男子校。宣教師のカナダ人がつくった学校でした。いわゆる「ネイティブ」の先生が多く、英語も中学のときから週に8時間くらいあって、LL教室やらタイプ教室までありました。ただ、カナダ人とは言ってもみなさんフランス系カナダ人だったので、英語は強烈な「フランス弁」。また学校は山の上にあり、しかもぼくは寮に入っていたので、山の下のいわゆる「下界」からは完全に隔離されていました。 まわりにあるのは茶畑とみかん畑ばかりで、寮生はそのあたりを

    英語は「地味」だから居心地がいい――英米文学の味わい方を知る/英文学者・阿部公彦氏インタビュー - SYNODOS
  • インドネシア大虐殺はなぜ起こったのか/倉沢愛子 - SYNODOS

    昨年、「アクト・オブ・キリング」という、世界各国で様々な賞を受賞した異色のドキュメンタリー映画が日でも上映され、センセーションを起こした。 それは50年前にインドネシアで起こった共産党関係者の大虐殺の際に、殺害に手を染めた人々が誇らしげにその時の状況を再現して見せるというもので、その設定の奇抜さが評判を呼び、また人を殺すという行為にまつわる心理を描いたものとして関心を集めたのであるが、同時に歴史を振り返る機会も与えてくれた。 映画を見た多くの人が「あんな事件当にあったとはまったく知らなかった」と語った。わずか50年前の、しかもインドネシアという比較的近い国において、である。 毎年何十万人もの日人が訪れているバリ島(バリもれっきとしたインドネシアのひとつの州である)でも起こっていたのだというと人々はもっと驚く。そしてインドネシア史を専門としているこの私は、人々が知らないというそのこと

    インドネシア大虐殺はなぜ起こったのか/倉沢愛子 - SYNODOS
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    tweakk 2015/09/08
    映画の最後で加害者の立場の人物が吐いていたのが印象的だった
  • 日本語訳「安倍談話」/山形浩生 - SYNODOS

    2015年8月14日、戦後70年談話が安倍内閣のもとに閣議決定された。そこで、官邸サイトに掲載された英語版を、山形浩生氏に日語訳していただいた。(Statement by Prime Minister Shinzo Abe Friday, August 14, 2015より翻訳) 安倍晋三総理大臣による声明 2015年8月14日 閣議決定 終戦70周年にあたり、私たちは冷静に戦争への道、その終結以来私たちが採ってきた道と20世紀という時代をふり返らなくてはいけません。歴史の教訓から未来への叡智を学ばねばならないのです。 百年以上前、主に西洋列強が保有していた広大な植民地が世界中に広がっていました。その圧倒的な技術優位により、19世紀には植民地支配の波がアジアへと押し寄せてきました。そこから生じた危機感が日を近代化実現に向けて推し進めたのはまちがいありません。日はアジアのどの国よりも先

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  • 核合意でイランは変わるのか――信頼醸成のゆくえ/坂梨祥 - SYNODOS

    2015年7月14日に締結された核合意により、果たしてイランは「変わる」のであろうか。この合意は一方では「歴史的合意」と高く評価されながら、他方では「歴史的失敗」と批判する声も上がるなど、その評価は二分されている。この合意の批判者は、「イラン核開発問題」は核不拡散の問題にとどまるものではないと指摘して、今回の核合意は核不拡散以外のイランの「問題行動」を、何ら変えるものではないと主張する。そして今回の合意では、「イラン問題」は解決されていないばかりか、これにより勢いづいたイランが地域のさらなる不安定化を煽ることにもなりかねない、と警告している。 しかしこれら一連の批判は、今回の合意はイランがすでに「変わった」、あるいは少なくとも「変わりつつある」からこそ可能であったという点に、十分注意を払っていない。イラン・イスラーム共和国体制自体は確かにかつて革命により樹立され、革命直後はその「輸出」も掲

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  • 昆虫は痛みを感じているか?――小さな「手乗り家畜」の動物福祉/水野壮 - SYNODOS

    脚を切除されたバッタは、足をかばったり負傷した部位を保護するような振る舞いはしない。一見通常通り飛び、歩行を続ける。また、オスのカマキリは交尾をしているメスに自身の体をべられながらも相変わらず交尾を続ける。 このように、昆虫は身体部分の除去や損傷をしても、歩行・飛翔・摂・交尾といった動作を(少なくとも傍目からは)通常と変わらず継続し続けることがある。これは、脊椎動物が痛みに対して反応するふるまいとは大きく異なり、昆虫が痛みを感じていないことの根拠の一つとされてきた。 しかし、カマキリの羽や脚を切除しようとすれば、あたかも痛みを排除するかのように攻撃的になる行動が見られる。草性のバッタでもカマキリなどにべられる際は手足や触覚をバタつかせ、もがき苦しんでいるようにも見える。 獲物をべるカマキリ 筆者が所属する「用昆虫科学研究会(e-ism)」は、昆虫を科学する研究会である。昆虫を

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  • 「空虚な幻想」から目を覚ますために――オウム真理教事件の根底にあるもの/大田俊寛氏インタビュー - SYNODOS

    思想というのは来的に、一般の人が理解しているよりも、はるかに危険なものです。――思想はどのように裁けるだろうか。オウム真理教の根底にあるものを探る。(聞き手・構成/山菜々子) ※記事は「αシノドス」2014年5月号からの転載となります。 ――今回は、ご寄稿いただいた『オウム真理教事件の真の犯人は「思想」だった』をもとに、お話を伺いたいと思います。拝読すると、思想の罪を問うことのむずかしさを感じてしまいました。 記事のなかでも触れたように、日の現在の司法制度では、思想に対する罪を問うことができません。しかし歴史を振り返ってみると、「危険思想」と見なされたものには、制裁や弾圧を加えられるのが、むしろ常態でした。 私はもともと、「グノーシス主義」という初期キリスト教の異端思想を研究していました。またその過程で、キリスト教の歴史における正統と異端の関係全般についても学んでいきました。私は当

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  • ヨーロッパ政治に息づくキリスト教民主主義/土倉莞爾 - SYNODOS

    現代フランスの代表的な政治哲学者マルセル・ゴーシェによれば、教会と国家の分離、宗教と政治の分離は、政治の価値を高めたと言う。こうした分離に対して、宗教の側は粘り強く勢力を保ち、国家、すなわちライシテ(政教分離の原則)の側は、宗教を打倒する野望を抱いた。 この対立は、国家が、宗教も含め社会のすべてを取り仕切るという考え方と、宗教の自由は社会に厳然と存在し、国家といえどもそれを縛ることがあってはならないとする考え方の闘争であり、その闘争は民主主義の歴史に影を落としてきた。 稿では、第二次世界大戦後のヨーロッパにおける政治と宗教の問題について論じていく。とくにフランスを中心として、カトリック主体の「キリスト教民主主義」に焦点をあてて考察してみたい。 キリスト教民主主義の第二次世界大戦後の貢献として、ヨーロッパ統合をあげることができる。当時、各国で政権与党の座にいたキリスト教民主主義政党は、ヨー

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  • スコットランドで何が起こっているのか――民族とアイデンティティを超えた独立運動/久保山尚 - SYNODOS

    スコットランドで何が起こっているのか――民族とアイデンティティを超えた独立運動 久保山尚 スコットランド史、スコットランド政策研究 国際 #スコットランド#独立運動 イギリス[*1]北方のスコットランドは、UKからの独立を問う住民投票を間近に控えている。 2012年にUK・スコットランド両政府間で住民投票開催が合意され、独立賛成派と反対派がキャンペーンを繰り広げてきた。独立賛成・反対への支持は、2013年末~2014年初頭に若干賛成派が伸びを見せたものの、一貫して賛成3割強、反対5割弱程度で推移し、スコットランドはUK内にとどまるものと思われてきた。 しかし8月に入り、独立への支持が急速に伸び始め、最新の世論調査では賛成派が過半数を超える[*2]など、状況は刻一刻と変化している。スコットランドの独立が俄かに現実味を帯びてきているのだ。 いったい何が起こっているのか。何がスコットランド人を独

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