世の中にはたくさんの「香り」にあふれています。 花の香り、食べ物の香り、体臭などの天然のものや香水、合成香料などの人工的なにおいまでさまざまな香りがあります。 それでは、今回はまずこれらの「香り」というものは一体何なのか?答えを先に行ってしまうと分子(化合物)が香りの正体です。 本記事では香りの具体的な化学構造とその関係を説明し、続く「香りの化学2」で有機合成化学の分野である「合成香料」について合成法、利用などをあげてみよう。 香料とはなにか? 「香料」(Perfumery Materials)とは一言でいうと「におい」を与える物質です。 「におい」とは揮発性物質が鼻膣の中の嗅細胞を刺激したときに起こる感覚(嗅覚)であることは明らかではですが、じつはその機構はまだ完全には解明されていません。「香料」といえば快いにおいをあたえる物質だけでなく、不快なにおいを持つ物質に対しても、ある目的をもっ