2001/04/08a 更新 『暮らしと健康』(保健同人社)平成5年8月号 集中特集より 会社で重大な会議をしているとき、新入社員が突然眠ってしまったら、あなたはその社員のことをどう思うでしょう。「たるんでる」「緊張感が足りない」など、その人に対する評価を下げるでしょう。 ナルコレプシー(居眠り病)の患者さんたちは、不眠に悩む人からは「眠れないほうがずっとつらいよ」と羨ましがられ、医者からも「よく眠れるんだからいいじゃないか」と言われたりします。 しかし、ナルコレプシーには特有の苦しみと辛さがあり、さらにこのような無理解や誤解、偏見がつきまといます。千人に一人ぐらいはいるので、患者さんがいることは十分考えられます。 診断がついて正しい対処さえできれば、こわい病気ではありません。ナルコレプシーに是非正しい理解をもっていただきたいものです。 秋田大学医学部 教授・精神科 菱川 泰夫(ひしかわ