科学哲学者の存在意義についてそのような印象を持っておられるというのは残念です。 そもそも、科学哲学者の多くは、「ニセ科学」がどうとかいった話題とまったく関係ないことをテーマにして研究をしています。 関係することを研究テーマにしている場合でも、科学哲学者は「ニセ科学」に対してどう対処するべきかとか背信行為にたいしてどうするべきかとかといった規範的な問題について必ずしも特定の立場をとっているわけではありませんし、場合によっては「ニセ科学」と呼ばれるものも特に禁止しなくてもよいという立場をとることもあるでしょう。 さらに、「ニセ科学」は野放しにするべきではない、という規範にコミットしている場合でも、科学哲学者の得意分野は考え方を示すところまでであって、それを当てはめた結果どうなるかを判断するのはもっと個別の問題に知識を持っている方に任せた方が確実でしょう。