沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事が昨年、東京で講演した際、「筋を通せば独立論では」という聴衆に「(沖縄を)切り離しますか」と色をなす場面があった。 私は自分のツイッターでこの模様を伝え、本土の人が語りたがる「沖縄独立論」への違和感をつぶやいた。「同意見です」というツイートが、沖縄市で民宿を営む野下秀広さん(46)から来た。 長崎県に生まれ、琉球大に進学したときから沖縄とかかわる野下さんは、13年になる民宿経営を通じて多くの県外客と接してきた。「どうしたことか、基地問題に関心を寄せる人ほど独立論が好きな傾向がありますね」 翁長知事が政府との対立を深める中、「盛り上がる独立論」といった記事が本土メディアにしばしば載る。だが、沖縄で暮らす私には、そんな空気は正直、感じられない。夜が更けていく民宿の庭先で、泡盛グラスを手に野下さんはうなずき、言った。 「『本土と同じように扱ってく… この記事は