「絶対君主」。自らそう名乗る祖母と、付き従う母。2人の10年以上続く壮絶な虐待に、女子高生は殺害を決意した。計画を打ち明けられた姉がとった行動は――。 2月23日、札幌地裁806号法廷。 「2人を殺害してほしくないと思っていました。でも、彼女の願いをかなえることが自分のできることだと思いました」。黒のスーツに身を包み法廷に現れた長女(24)は証言台に立ち、裁判員の前で弁護人の被告人質問に答えた。母と祖母を殺した三女(18)を、睡眠導入剤や手袋を用意して手助けしたという殺人幇助(ほうじょ)の罪で起訴された。 札幌市中心部から東に約25キロ。北海道南幌町の閑静な住宅街で事件は起きた。 2014年10月1日午前0時半。当時高校2年生だった三女は自宅で就寝中の母(当時47)と祖母(当時71)を台所にあった包丁で刺して殺害した。2人の遺体には多数の刺し傷があった。三女は殺害後、家を荒らし、強盗による