1960年、抽象表現主義者のイブ・クラインがシンフォニー(交響曲)を指揮した。クラインは色を商標登録したり、キャンバスだけでなく被写体女性の体にも色を塗ったりすることで有名だ。 彼が創作したほとんどの作品と同様に、シンフォニーは観客(今回の場合は聴衆) にとって、感覚的な体験ができるように構成された。絵を描くときに青の色合いを使うことで有名なクラインだが、シンフォニーではその青色を音で表現し、聴覚で届けようとした。各パートが音を音を奏でるユニゾンで演奏されるオーケストラを聴くことは、ぞくぞくさせるほど活気に満ちた、まるで深海のような青色を見ることと理論上は同じ効果を持っているはずだ。
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