そもそも株式会社とは、岩田規久男 オリンパス問題などで、最近また、企業統治とはどうあるべきか、という議論が盛んに行われるようになってきた。そこで、今日は株式会社や企業統治についてのわかりやすい本を一冊紹介しよう。 この本が書かれたのは、ライブドア・ショックや村上ファンド事件で、「会社は誰のものか?」という議論がにぎやかだった時だ。大学教授らしく、たんたんと株式会社の歴史や、企業統治の考え方に関しての日本やアメリカ、ヨーロッパ諸国でのちがいなどをわかりやすく解説している。 ファイナンス理論というのはそのほとんどがアメリカで作られたもので、そういったファイナンスの教科書に従えば、会社とは株主のものである。英米などではこれは極めて当たり前の考え方で、株主の利益を最大化することこそが経営者の仕事となる。株主というのは、会社の取り引き先、従業員、債権者(負債の利子)、政府(税金)、に利益を分配した後