三菱UFJ証券は8日、システム部の社員が不正に持ち出した約5万人分の個人情報を名簿業者に売却していたことが分かった、と発表した。同証券は警視庁に通報、告訴の準備を進めるとともに、同日付でこの社員を懲戒解雇した。個人情報の流出事件としては悪質かつ大規模で、証券業界の信用にも影響を及ぼしそうだ。 同証券では、顧客に無関係の不動産業者などから勧誘が入るケースが3月中旬以降相次いで報告されたため、緊急対策本部を設けて調査した。 その結果、同社員が顧客148万6651人分の情報を自宅に持ち帰り、うち昨年10月から今年1月までに新規口座や投資を一任する「ラップ口座」を開設した4万9159人分を名簿業者3社に売却したことが分かった。同社員はCD−ROMに情報を焼き付けて持ち出したという。流出情報には、氏名や住所、電話番号のほか、勤務先や年収区分なども含まれていた。 名簿業者は、不動産業など13社に