2011年初頭の松田直樹移籍、8月の彼の急逝によって、日本中から注目を浴びることになった松本山雅FC。彼らは紆余(うよ)曲折を乗り越え、12年のJ2初参戦を果たした。だが11年途中からチームを率いた加藤善之GM(ゼネラルマネジャー)がS級ライセンスを保有しておらず、誰が後を引き継ぐのかが懸念材料になっていた。 その大役を引き受けたのが、北京五輪代表を率いた反町康治監督だった。新潟、湘南を2度J1へと導いた経験を持つ日本サッカー界屈指の大物指揮官だ。彼ほどの実績を誇る人物がなぜ地方の小クラブへと赴いたのか。松本というプロの第一歩を踏み出したクラブで一体、どんな仕事をしたいのか……。就任直後の彼に単独インタビューを試みた。 ■ゼロからのスタートを切るクラブ ――反町さんの監督就任に驚いたファンも多いと思います。改めて伺いますが、なぜこのクラブを選んだのですか? それは松本の大月(弘士)社長