今年の「祇園祭」は、49年ぶりの「後祭(あとまつり)」(7月21~23日)の復活や、幕末の「禁門の変」(1864年)で焼失して以来、150年ぶりに復元された「大船(おおふね)鉾」が巡行したこともあって、16日の「前祭(さきまつり)」の宵山だけでも34万人と、例年以上の人出で賑わったという。が、この絢爛豪華な祭りが行われる京都では昔から、こんな警句が囁かれているのをご存じだろうか。 「白足袋には逆らうな」 「白足袋」とはつまり、日常的にそれを身に付ける茶人や花人、僧侶、そして祇園祭の主役である室町の老舗商人たちを指している。 この警句を無視したいい例が、約30年前の「古都税騒動」だろう。1985年、京都市は財政を圧迫していた文化財保護費を捻出するため、社寺の拝観料に地方税をかける「古都保存協力税(古都税)」を導入した。ところが、これが清水寺や金閣、銀閣といった観光寺院の逆鱗に触れ、一部の寺院
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