FC今治の岡田武史オーナーが、指定された今治市内のホテルに姿を現したのは、約束の時間の5分前であった。この日はすでに2回の講演を終え、このインタビュー取材が終わったら、今度はテレビの取材が控えているという。夜は夜で、アドバイザリーボードのメンバーと会食しながらの打ち合わせ。翌日はトップチームのホームゲームだ。「いやあ、忙しくて忙しくて」と言いながら、ショートケーキを頬張る岡田オーナー。しかしその表情は、ぎらぎらした充実感にあふれている。 岡田オーナーに単独で取材するのは今回が2回目。前回お会いしたのは、中国スーパーリーグの杭州緑城FCを率いていた2012年であった。当時の岡田監督もまた、未知なる挑戦に意欲的で、なおかつ「中国初の日本人監督」というプレッシャーを楽しんでいるようにも感じられた。中国と今治、そして監督とクラブオーナー。環境も自身の役割もまったく異なるものの、「誰もやったことのな
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