吉本興業は、125億円ある資本金を9月に1億円に減らす。取り崩した124億円は資本準備金に回す。資本金1億円以下の企業は税法上「中小企業」となり、法人税の軽減など優遇措置があるため、税負担を軽くするねらいもあるとみられる。 減資は6月の株主総会で決議された。吉本興業は2010年に株式公開買い付け(TOB)を実施して上場を廃止した際の資金調達で借金が膨らんだ。3月末の利益剰余金は140億円のマイナスとなり、財務体質の改善が急務となっている。 官報の決算公告によると、15年3月期の純損益は、子会社株の評価損などで特別損失を47億円計上したこともあり、32億円の赤字だった。広報担当者は減資の目的について「中長期的な視点で、資金を効果的な投資に振り向けていくため」と説明する。 大幅な減資をめぐっては、経営再建中のシャープが今春、資本金1218億円を1億円にすることを検討。税法上「中小企業」となれば