これぞ、ラグビーの美徳だろう。ノーサイド。激闘を終えたトンガ出身の選手も、日本人選手も、ひとつの輪になって、片膝を緑の芝生について、トンガ王国の復興を祈った。約8千人のあたたかいファンの拍手がグラウンドを包んだ。 11日の東京・秩父宮ラグビー場。1月に起きた海底火山の大規模噴火と津波で被災したトンガの復興を支援する親善マッチ。トンガ出身者のチーム、「TONGA SAMURAI XV(トンガ・サムライフィフティーン)」のチーム最年長、39歳のバツベイ・シオネ主将は、「みなさんの応援がうれしかったです」と日本語に実感を込めた。 「ずっとトンガをサポートしていただいて、感謝しています。日本のみなさん、本当にありがとうございました」 試合後、グラウンドでのインタビューでだった。クボタスピアーズ船橋・東京ベイからの退団が発表されたばかりのフランカー。インタビューの最後、「もうひと言」と自ら切り出した