自分が男性なのか女性なのか、多くの人が生まれた時から意識することなくごく当たり前に過ごしています。しかし、近年広く社会に認識されるようになった性同一性障害やトランスジェンダーの方は、幼少期から非常に強い葛藤を抱えながら成長しています。 生まれつき体の性と自分が認識する性が違い、その違和感に苦しむ性同一性障害、男女という2つの概念にとらわれることなく自分を表現するトランスジェンダーを、私たちはどのように理解すればいいのでしょうか。大阪医科大学の康純先生にお話をうかがいました。 性同一性障害とは 性同一性障害は従来、「自分の性別はどちらであるのか、自分で自覚している性別(ジェンダー・アイデンティティー)と戸籍上の性別(身体的性別)との間にずれがある状態」と定義づけられていました。「男女」という二つの性別の原理に基づけば、体は男性だけど自分は女性、あるいは体は女性だけど自分は男性という認識を持つ