78年の歴史がある鴨沂高(京都市上京区)の夜間定時制が本年度末で終了する。このほど行われた卒業式と閉制式では10~70代の生徒10人が巣立ち、名残を惜しんだ。 「失われた10年を取り戻し、余りある高校生活だった」。1日に同高で行われた卒業式で、男性(29)=上京区=は卒業生代表として感慨を込めて語った。 中学生の時に学校になじめず引きこもりになった。卒業後はアルバイトをして過ごし、25歳の時に友人とともに入学。昼はバイト、夜は勉学に励んだ。「学校では年上なので責任感も感じた。これからリーダーシップを発揮して仕事に向き合いたい」と語った。 卒業生の最年長の女性(75)=左京区=。中学卒業後、家庭の事情で高校に行けず、繊維関連の仕事に就いた。会社で男女の学歴格差を感じていたため、70歳で仕事を辞めて入学した。「4年間楽しかった。学んだ英語を、海外に行って生かせたら」と話した。 同高定時制の開設