2022年の祇園祭・後祭(あとまつり)の巡行復帰を目指す鷹山が6日午後、試し曳(び)きを行った。巨大な車輪が取り付けられた「休み山」がゆっくり動き、196年ぶりとなる巡行本番に向けて大きく前進した。 この日は安井杢(やすいもく)工務店の京都府京丹波町にある加工場で、作事方や大工方、手伝い方と呼ばれる人たちが縄を巻いて木部を組み上げて完成させた。地元の人たちも加わった試し曳きでは、「エンヤラヤー」と音頭取りの威勢のいい声に合わせて数十人が綱を引くと、車輪をきしませながら十数メートル進んだ。辻回しなどの方向転換も成功した。 鷹山保存会の山田純司理事長は「鷹山が長い眠りからさめ、命が吹き込まれたようだ」と話した。 懸装品(けそうひん)を全て付けた最終の試し曳きを、来年5月に予定している。 鷹山は応仁の乱以前から巡行し、江戸時代の文政年間の巡行時に大雨で懸装品が汚損して以降、休み山となった。