世界の主な通貨と比べると、日本の円が2008年秋の米リーマン・ショック直前より3割近く「円高」になっていることがわかった。各国通貨で最も上昇しており、世界中で突出して買われている状況だ。 国際決済銀行(BIS)が58カ国・地域の通貨を比較している実効為替レートの公表資料でわかった。10年8月の実質実効レートでは、円は7月より1.4%高い104.25。08年8月の82.41に比べて26.5%も円高になった。 日本に次ぐ上昇率は南アフリカ・ランドで20.0%。資源が豊富な国やアジアの新興国の通貨が買われている。米ドルも1.5%上昇。円高ドル安が注目されているが、円以外に対してはドル高なのを意味しており、円の「独歩高」が鮮明になっている。 下落したのは欧州の通貨。最も下がったのはポーランド・ズロチでマイナス16.6%。欧州主要国の共通通貨ユーロも9.0%下落した。 ■名目レートでは最高値