どんなベテランでも判断ミスから自由になれないし、油断すれば失敗する。患者さんに怒鳴られたら 腹も立てるし、相性のいい研修医とそうでない研修医、神様じゃないから、平等に接することなんてできない。 ときどき完璧になれても、常に完璧でいられる人なんていない。それを「たるんでいる」とか批判すること それ自体が欺瞞であって、むしろ完璧になりきれない人、だらしのない、失敗ばかりする医師こそが 「正常」であって、そこから始めないといけない。 みんなミスをする どんなときでも冷静沈着、どんなに疲れているときでも熱心さを失わない人は、たぶんどこかおかしい。 その人は、人としての「正常」なんかではありえなくて、何かが過剰であって、 たぶんどこかで、その過剰さの代償として、必要な何かが欠けていたりする。 「正しい医師」というのは、相当に理想化された、 目指すべき対象としての存在になってしまって、世間が求める「正