北朝鮮が希望したはずの米朝首脳会談開催を、トランプ米大統領が即断で受諾した後、実は北は長く不気味な沈黙を続けている。金正恩の公式発表がない限り、話は前に進まないのだが、首脳会談については誰も何も触れない。朝鮮総連の機関紙に載った会談への論評が直後に削除される事件まで起きている。この事件を手掛かりに、沈黙の理由を、北朝鮮内部で生まれている深刻な内部抗争の火種であると、北朝鮮分析の第一人者が解説する。 追い込まれた金正恩の「勝負手」 核問題を巡る北朝鮮情勢が急展開を見せている。 平昌冬季五輪の開催を機に、金正恩労働党委員長は「勝負手」を連発した。3月5日に平壌を訪問した韓国の特使に、非核化の意思を「表明」しながら、南北首脳会談、米朝首脳会談の開催を希望した。 これが、強力な経済制裁だけでなく、軍事的選択肢を含めた米トランプ政権の圧力政策の産物なのは衆目の一致するところだ。 海上封鎖と軍事攻撃の