石崎森人さん(35)のケース ひきこもり当事者・経験者が発信する雑誌『HIKIPOS』編集長の石崎森人さん(35)。現在5号まで出ているこの雑誌には毎回、特集がある。例えば、3号では「ひきこもりと恋愛・結婚」、4号では「ひきこもりと『働く』」などで当事者たちが原稿を書いており、非常に興味深い。 東京郊外の駅前で会った石崎さんは、にこやかで知的な印象。穏やかそうに見えるが、激しい精神的葛藤を経てきたと話し始めた。 生まれながらに感受性が強かったのか、あるいは抑圧的な父親と心配性な母親とに厳しく育てられたからなのか、子どものころから「家は、安心できる場所ではない」と実感していたという。兄と弟に挟まれた次男だから自由に育ったのかと思ったが、彼は繊細すぎるくらい繊細だった。 イジメを目撃し「人間は腐ってる」 小学校に入学するころバブルが崩壊し、テレビでは「同情するなら金をくれ」とドラマ『家なき子』