(お流れになった)押井版ルパン3世(劇場)の制作開始を前に開かれた座談会 押井守×宮崎駿×大塚康生 鼎談 「監督・押井守」決定の経緯 AM 「ルパン」の監督に押井さんを推薦したのは宮崎さんだという風に聞いているのですが,まずそのへんの事情から 宮崎「カリオストロが終わった時点で,「もうルパンはいいや」と僕自身は結論を出してしまった。その理由は,僕自身が中年になっていくに従ってルパンもちゃんと中年になっていく。なんかこのままやっていくと,ルパンは初老になってしまうんじゃないかと思って(笑)。それと,いまもしルパンをやるとしたら,泥棒は簡単には出来ないだろうなって気がしたんです」 AM というと? 宮崎「日常の中に田中角栄に代表されるような小悪党ならいっぱいいるし,サラ金に行ってガソリンに火をつけるといったことが日常的におこるようになっちゃったでしょう。だからルパンのやることが夢物語でなくなっ