・人を幸せにする話し方―仕事と人生を感動に変える言葉の魔法 良い本だなあ、読み終わって、拍手したくなった。 人前で話す機会の多い人は一読の価値あり。 年間200本の講演をこなす感動体験のコンサルタントが語る話し方の極意。 「たとえば、講演を聴き終わった人が、「今日の講演はすごかった。あんなすごい人がいるんだなあ」という感想を持ったとします。 この講演は、成功したと思いますか?それとも失敗したと思いますか?。 その講演の目的が「講師がすごい人であることを知らせること」なら別ですが、残念ながら、講演として成功したとは言えません。」 私もやってみたい、私にもできるかもしれない、元気になった、と自分が主語になる感想をもってもらえる講演こそ本当の成功なのだと著者は定義する。繰り返し呼んでもらえる講演というのもそういうものなのだろう。本書の人間的な共感指向の話し方は「ハーバード流」みたいなやり方とは対
2009年08月07日02:30 カテゴリ書評/画評/品評iTech 書評 - グーグルに依存し、アマゾンを真似るバカ企業 幻冬舎高部様より献本御礼。 グーグルに依存し、アマゾンを真似るバカ企業 夏野剛 私信:夏野さんへ : ひろゆき@オープンSNSこの本ください。↓ あれ?ひろゆきもらってなかったの? これじゃ書評を後回しにできないじゃん。 本書と著者を評価できるかどうかは、スコープの大きさで決まる。 「全国」なら、買い。 そして「全世界」なら、売りだ。 本書「グーグルに依存し、アマゾンを真似るバカ企業」は、iモードの仕掛人の一人とされる著者が語ったウェブ論。本書を評価できるかどうかは、iモードを評価しているか否かにもよる、と言い換えてもいいかも知れない。 目次 - Amazonより。 第1章 日本のウェブビジネスはなぜ儲からないのか 第2章 ウェブビジネスを成功させる鉄則 第3章 ウェ
2009年06月12日00:30 カテゴリ書評/画評/品評SciTech LET IT BE OR NOT - 書評 - スーパーサイエンスハイスクール講義 培風館北村様より献本御礼。 スーパーサイエンスハイスクール講義 堀越正美 タイトルどおり、スーパーサイエンティストである著者が高校生に向けて科学を語った書であるが、中学生でも読め、そしてサイエンティストを含めた大人でも得るところの大きい一般書。むしろ科学が苦手な人の方が楽しめるかもしれない。 本書「スーパーサイエンスハイスクール講義」は、第一級の生物学者であると同時に、第一級の生物学者を数多く育ててきた著者が、自らの専門である生物学に留まらず、科学全般の魅力を高校生に対して語った一冊。 目次 スーパーサイエンスハイスクール講義より PROLOGUE/流れに枕す 1 自然科学とは? 1−1 自然科学とは? 1−2 自然科学の目的とは?
2009年06月14日01:30 カテゴリ書評/画評/品評Psychoengineering 日本の寺がなぜ駄目なのかがわかった - 書評 - 出家の覚悟 先日行われた長老との対談の際に出版社から頂いたもの。 出家の覚悟 南直哉 / アルボムッレ・スマナサーラ 著作出しまくりの長老であるが、僧との対談は珍しい。 おかげでわかった。 なぜ「釈迦の言葉」には惹かれても、お経なり念仏を聞きに寺へ行く気が全く起きないのかが。 本書「出家の覚悟」は、猫殺しで有名(?)な日本の住職と、「仏教は心の科学」と言ってはばからないスリランカの比丘とによる対談。 目次 - サンガ(samgha) 出家の覚悟〜日本を救う仏教からのアプローチ〜より。 Ⅰ 出家するということ Ⅱ 日本仏教の現在 Ⅲ 悟るということ、知るということ Ⅳ 根底から揺らぐ現代日本社会 Ⅴ 生と死、命の問題をめぐって Ⅵ 自己と他者 Ⅶ 仏
2009年05月31日14:30 カテゴリ書評/画評/品評 ひろゆき、自叙 - 書評 - 僕が2ちゃんねるを捨てた理由 週刊SPA!杉原様より献本御礼。 僕が2ちゃんねるを捨てた理由 ひろゆき ひろゆきファンには、前著「2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?」よりもこちらの方が面白いはずだ。前著は「ひろゆきは、世の中をどう見ているのか」という一冊だったが、こちらは、「ひろゆきは、ひろゆき自身をどう見ているのか」という一冊なので。 本書「僕が2ちゃんねるを捨てた理由」も前著「2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?」も、どちらも「2ちゃんねる」という言葉が出てくるが、本書においての主題は「2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?」ではなく、「僕」ことひろゆきである。 目次 - Fusosha 僕が2ちゃんねるを捨てた理由〜ネットビジネス現実論〜にもAmazonにもないので手入力 「好きなチャンネル」「嫌いなチャン
2014年07月24日08:30 カテゴリ書評/画評/品評Psychoengineering 恐れのみを恐れよ - 書評 - リスクにあなたは騙される 早川書房東方様より献本御礼。 リスクにあなたは騙される Dan Gardner / 田淵健太訳 [原著:Risk: The Science and Politics of Fear] 2009.05.25 初出 2014.07.24 文庫化につき更新 本書こそ、今最も恐るべき一冊だ。 初の著作がこれだとは、著者恐るべき。 本書「リスクにあなたは騙される」の原題は"Risk: The Science and Politics of Fear"、直訳すれば「リスク:科学と恐怖政治」となる。そう。本書は、むしろ「機会」をも意味する「リスク」ではなく、恐怖というものそのものに関する本なのだ。 目次 - Amazonより プロローグ 第1章 リスク社
・快楽の本棚―言葉から自由になるための読書案内 作家 津島佑子の自伝的な読書案内。太宰治の娘であるが故に、母親は娘を文学から遠い場所で生きるように導こうとした。文学は暗くて危険なものだと思い込ませた。結果として娘は本当のことを知りたい欲望から文学の世界へと引き寄せられていく。 性への好奇心が文学の入り口となり源氏物語、好色一代男、発禁処分の『チャタレー夫人の恋人』を英文で読んだ。長大な里見八犬伝を「壮大なでっちあげ」への感動で読破する。読んではいけない本、見てはいけない映画に夢中になる。あらゆるものから自由になるために。 「「背徳的」とはつまり、自分の生きている世界をしつこく疑い続けること、おとなたちが隠したがっていることを知りたがることなのだ」 凄く分かる気がする。私も自分の中学高校時代を振り返るとマルクスの資本論やジェイムズ・ジョイスのユリシーズなんかを訳も分からず読んでいた。危険な思
2009年05月15日14:30 カテゴリ書評/画評/品評Medicine ハゲはここまで治る! - 書評 - 専門医が語る 毛髪科学最前線 集英社新書編集部より献本御礼。 専門医が語る 毛髪科学最前線 板見智 面白い。ハゲ(もちろん「毛がない人」ではなく「毛がなくなる」という現象)とは今のところ縁がない私にもこれだけ面白かったのだから、ハゲでお悩みの人にはもう髪、ではなくネ申のような一冊かも知れない。 本書「専門医が語る 毛髪科学最前線」は、タイトルどおり、毛髪の専門医による、脱毛と育毛の科学。 目次 はじめに 第一章 男はなぜハゲるのか 第二章 薬剤による男性型脱毛症の治療戦略 第三章 自毛移植による男性型脱毛症治療・最新型カツラ・近未来治療 第四章 円形脱毛症のメカニズムとさまざまな治療法 第五章 その他の脱毛症 第六章 女性の脱毛症は男性と「何」が「どう」違う? 第七章 髪について
・文才がなくても書ける小説講座 文才がなくても書ける小説講座 身も蓋もないタイトルに思わず噴き出した。 文才がないのに小説を書く意味があるのか? 面白くない小説など存在価値がないではないか。 書けない人が書く必要がないジャンルなのではないか? でも、よく考えてみると、ありである。 少なくとも書いてみたい人間にとってはオオアリクイである。 才能があるかないかは書いてみなければわからないからである。 (ダジャレも言わなきゃ受けるかどうかわからないからである。) 文学的に読む価値がある作品か否かはともかく、まず一遍の作品を完成させることを重視した講座である。著者が高校教師なだけあって、論理的で明解に指導してくれる。説明の流れに説得力がある。 まず最初に何か書く。すると「こう書いた以上は、次にこう書かないとまずいよな」という不足を埋める必要が生じる。ひらめきではなく論理で埋めていけ、というのが著者
・セックスと科学のイケない関係 気鋭の女性科学ジャーナリストによる性科学の最先端レポート。読み応えあり。 テクノロジーで人間のセックスを探究する真面目な科学者達の話だが、実験観察の現場を想像すると可笑しくなる。 「"ドライ・ペニス・スキャン"では、被験者はベッドにうつぶせになり、別途に開いた穴から人工ヴァギナにペニスを挿入します。"ヴァギナ"は(人体に無害な)澱粉のゲルでできています」。 他にも登場する科学者は、セックスしている男女をMRI装置に入れて性器の状態を調べるとか、膣にペニス型カメラを挿入する。形状の異なる男性器と女性器を使い「男性器の亀頭の張り出しは自分の精液を放出する前にライバルの精液を掻き出すためにある」ことを証明する。男性被験者の禁欲的協力で精子は5日ごとに"在庫一掃"が望ましい(1週間で劣化する。毎日では薄くなる)ことがわかったり。 だがそうした苦労の甲斐あってさまざま
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