地上最速の動物といわれるチーターが、より小型なネズミよりも速く、より大型なゾウよりも速いのはなぜだろうか。この疑問を説明する研究結果が、英国の科学雑誌「Nature」の姉妹誌「Nature Ecology&Evolution」にこのほど掲載された。論文が示した理論モデルは、チーターに限らず中型動物が最速である理由を説明するという。 ドイツの研究者、ミリアム・ヒルトさんらは、「加速に必要な時間が、ある動物が到達できる最高速度の決定的な要因だ」と説明する。 動物が加速する際に、筋肉は瞬間的にエネルギーを取り出せる無酸素運動で動く。無酸素運動で使えるエネルギーが尽きたときが最高速度になるが、無酸素運動で筋肉が利用できるエネルギーは多くないという。 従来知られている理論に従えば、体重が重いほど理論上の最高速度が上がるとされている。しかしこの理論では、大型動物として知られるゾウやシロナガスクジラが、