2017年12月27日、中国国営の新華社が、「日本が『いずも』型護衛艦の空母化を検討している」と報じた。この記事を受けて、中国では「日本が憲法違反の攻撃能力を持つ」という意見もネット上に流れた。 もちろん、中国は、日本の軍事力が強化されることについて警戒感を高めただろう。しかし、中国国内の反応は、予想されたよりはるかに低調だ。なぜ中国は、もっと強く日本を非難しなかったのだろうか。その疑問を解くために、まず、「いずも」とはどのような艦艇なのか、そして「空母化」すれば何ができるようになるのかを見てみたい。 「いずも」は、2015年3月に就役した日本最大の水上艦艇である。全長248メートル、幅(エレベーター部分を含まず)38メートル、基準排水量19,500トンで、満載排水量は26,000トンにもなる。艦載機としてヘリコプター約14機を搭載できる一方、必要に応じて多数の大型車両も収容可能である。上