モスクワ中心部の地下鉄駅近くに立ち並んでいたキオスク(売店)や露店が今月、一斉に破壊されている。支局周辺でも酒・たばこ店からファストフード店、新聞スタンドまでが一夜にして消えた。大統領の指名でモスクワ市長になったばかりのソビャニン前副首相の命令だ。 発端は先月末、新市長がある駅の周辺を視察中、キオスクが通行の妨げになっていると言い出したことだ。地区長2人がその場でクビになった。すぐにキオスク破壊が始まり、今月半ばまでに少なくとも500店が姿を消したようだ。 市当局は「撤去されたキオスクは違法営業だ」などと主張。だが、売店主らの言い分は「賃貸の契約文書はすべてそろっている」「何の補償もなく1日で出て行けといわれた」と真っ向から食い違っている。 これらのキオスクはソ連崩壊後の1990年代に雨後のたけのこのように現れた。駅周辺の光景はソ連時代に逆戻りしたに近い。 市長さん! 百歩譲って、これらキ