21世紀に入って、日本のフェミニズムとその主張が取り入れられたジェンダー政策に対するバックラッシュが急速に広がった。日本におけるフェミニズムは、1980年代から、制度化・体制内主流化を目指してきたが、すでに個別の論点については保守派からのバラバラな攻撃が行われていた。しかし、そうしたバラバラな攻撃が、21世紀になってネートワークされて急速に力を増してきた。それが、今日のバックラッシュである。そのネットワーキングを推進したのが、もともと保守的国粋的な傾向を有する、日本の大新聞の一つである「産経新聞」系メディアであった。 日本における保守的国粋的な人々は、20世紀末には、歴史修正主義者たちが作った歴史教科書を公教育で使用させることに熱中していた。その試みがとりあえず頓挫した時、彼らは、一斉にジェンダー問題に関心を向けるようになった。国粋的な歴史修正主義者たちとジェンダー問題との接点は、フェミ