1986年に発見されたハートレー第2彗星が間もなく地球に接近し、数十年に一度となる観測の絶好のチャンスが訪れる。地球への接近の数週間後には、NASAの探査機がフライバイ(接近通過)する予定だ。 ハートレー第2彗星(103P/Hartley 2)はオーストラリアの天文学者マルコム・ハートレー氏によって発見され、約6年半の周期で太陽を周回することも同氏の計算で明らかになっていた。しかしこれまでは、木星の重力の影響で軌道がずれ続け、周回ごとに軌道が太陽に近づき、それに伴って地球からは遠ざかっていた。 ところが今年は、10月20日にわずか1770万キロの距離まで地球に最接近すると予測されている。10月中旬の月のない暗い夜が絶好の観測条件となるという。 カリフォルニア州ロサンゼルスにあるグリフィス天文台の天文学者アンソニー・クック氏は、「北半球では、10月中旬まではほぼ一晩中、北東の方角で観測