薬指に指輪をした女性が口元にそっと指をあてて「シーッ」。意味ありげな写真の下には「人生は一度だけ。不倫しましょう」という挑発的な文字が躍る。カナダ発のアシュレイ・マディソン(Ashley Madison)のトップページはいかにも怪しげだ。 2002年に設立した同社は、既婚男女のための出会いサイトを運営。臆することなく「世界最大の不倫サイト」とうたう。名前や電話番号など個人情報を提供する必要がないのが売りで、登録者数は今や世界で3400万人に上る。登録するのは無料だが、気に入った相手とメールのやり取りなどをするのは有料だ(女性は無料)。 日本には2013年に進出。会員数は180万人を超える。モラル的に完全アウトな不倫”あっせん”ビジネスが、着々と世界に広がっている理由とは。日本を訪れた国際事業ディレクターのクリストフ・クレイマー氏に聞いた。 ――今回の来日の目的は。 モラル面での問題は