二月二十七日、シャーマン米国務次官(政治担当)はカーネギー国際平和財団で講演を行い、尖閣諸島海域での日中間の緊張の高まりや中国・韓国における反日運動に関連し、「第二次世界大戦の『いわゆる慰安婦』などの歴史問題」に言及した。 「ナショナリスト的な感覚で敵をけなすことは、国の指導者にとって安直な称賛を浴びるが、それでは感覚が麻痺するにすぎず、進歩とは無縁である」 特に「いわゆる慰安婦」と表現して、従来の「強制連行」「従軍慰安婦」「性奴隷」という中国や韓国の政治プロパガンダに疑問符をつけた点が注目される。これは米国務省の対中、対韓国アプローチの変化を顕著に示唆しているからだ。 その直後、オバマ大統領は中国が立法化をめざす「IT規制法」に、過激なレトリックを用いて注文をつけた。 「(中国は)米国とビジネスを続けたいのなら(新法の中身を)考え直すべきだ」 米国の中国への苛立ちは、次の三点によるものと