「赤ちゃん? いらないわ」。妊娠適齢期の女性がそう口にするのに、どれほど勇気がいることか。フェミニズムの国フランスでもそれは同じで、子供のいない女性はさまざまな社会的圧力に苦しめられている。親に泣かれ、ママ軍団に敵視され、メディアに不安を煽られ、そして自分を責めることになる。 子供をもたないという選択は、女の“わがまま”なのか──論争の結末に、胸のすくひと言が待っている。 リーズは51歳の画家で、一人暮らし。パリのマレ地区の中心部にある、ボヘミア調の装飾が施されたシックで広々としたアパルトマンに住んでいる。旅行にお出かけに、いろいろと予定を組んでアクティブに過ごしているが、母親にならないという選択を「あえて」したわけではないという。 「単に、子供が生まれなかったのよ」 とはいえ、子供に対して「心の疼き」を感じたことは一度もないと明かす。もちろん、恋に落ちたことはある。本当に深い恋愛もあった
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