タグ

ブックマーク / blog.goo.ne.jp/vergebung (3)

  • 『心的外傷と回復』 ジュディス・H・ハーマン(著) 3 - joy - a day of my life -

    「山茶花、紅葉、緑葉」 ( 『心的外傷と回復』 ジュディス・H・ハーマン(著) 2 からの続き) ・外傷性記憶を“ストーリー”に組み込み、新しい人生観を見出す 上で述べたように、外傷的出来事は“切り離された記憶”であり、それは意識に統合されていないからこそ、個人の言動の一貫性を損なう異質物として意識に侵入し個人を支配します。治療においては、この外傷の記憶にできるだけ近づいていくことが必要になります。 精神分析は元々過去の“隠された”記憶を辿る作業ですが、外傷性記憶は、それが他者による“搾取”という体験にフォーカスしているところに特徴があります。それはつねに、自分より強者である保護者・配偶者・政治家・不良グループなどによって自分の意思・期待が打ち砕かれた経験の記憶です。それにより患者は“保護されている”という感覚・外界に対する基的信頼感を著しく失い、自分の意思で行動する能動性を奪われていま

    『心的外傷と回復』 ジュディス・H・ハーマン(著) 3 - joy - a day of my life -
  • 『心的外傷と回復』 ジュディス・H・ハーマン(著) 2 - joy - a day of my life -

    「陽光を受ける山茶花」 ( 『心的外傷と回復』 ジュディス・H・ハーマン(著) 1 からの続き) ・切り離された記憶 ハーマンによれば、人は危険に遭遇すると、意識がその状況に注意を集中させ、飢えや渇きや痛みさえも無視し、最後には怒りによって状況に立ち向かうか、怖れによってその場から逃げようとする。これが脅威に対する人の正常な反応である。 心的外傷の特徴は、著者によれば、このような正常な反応ができなくなることにある。すなわち、状況に立ち向かうことも逃げることも不可能になるような過酷な状況である(例えば、暴行魔に監禁されたり、戦場に放り込まれたり)。そこでは、怒りや恐怖という感情を感じることも人は不可能になります(p.47-8)。 ジャネはヒステリー患者を診た際に、心的外傷のこのような特徴を、患者たちが自分を圧倒した事件の記憶を意識に統合する能力を失うこととみなしました。ジャネは催眠術により、

    『心的外傷と回復』 ジュディス・H・ハーマン(著) 2 - joy - a day of my life -
  • 『心的外傷と回復』 ジュディス・H・ハーマン(著) 1 - joy - a day of my life -

    「山茶花を囲む緑の葉」 アメリカの精神科医ジュディス・H・ハーマンの著作『心的外傷と回復』を読みました。図書館で借りたですが、定価は7千円もするんですね。うーん、ちょっと高過ぎる気もするのですが。他のと比べて特別読まれないじゃないだろうし、むしろ「心的外傷後ストレス障害」研究の古典といわれているのだから、もっと安くてもいい気もします。 精神医療の素人の私が読んだ感想としては、どうしてこのがここまで話題になったのだろう?とまず思いました。 このがよくないと言いたいのではありません。ただ私の印象としては、このが扱っている心の病は、たしかに障害は深刻ですが、それは私たち誰もが抱える心の悩みが極端に深刻度を増しているものという印象です。つまり、この「心的外傷後ストレス障害」という病自体は、とりわけ目新しいものではないように思えるのです。 またその治療・回復の過程の記述も、心的外傷の原因

    『心的外傷と回復』 ジュディス・H・ハーマン(著) 1 - joy - a day of my life -
  • 1