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ブックマーク / www.tachibana-akira.com (10)

  • 「表現の自由」でエイズの似非科学を擁護した代償 週刊プレイボーイ連載(149) – 橘玲 公式BLOG

    「自分に甘く他人に厳しい」というのは人間の性でしょうが、それが目に余るのは似非科学を振りかざすひとたちです。 彼らはまず、相手に対して厳密な証明を求め、すこしのミスも許しません。そして、自分の主張が非科学的だと批判されると「表現の自由」だと言い張ります。 似非科学が流布する背景には、それを支持する知識人(と呼ばれるひとたち)がいます。彼らは、あらゆる意見には発言の場が与えられるべきであり、国家権力がそれを制限するのは不当だといいます。 これは一見、正論のようですが、だとしたら「朝鮮人を殺せ」と叫ぶ集団の表現の自由も命がけで守らなければなりません。しかし彼らは、そんなことをする気はまったくないでしょう。「表現の自由」は、自分の気に入った意見にだけ適用されるのです。 マンガ『美味しんぼ』では、福島第一原発を取材した主人公の鼻血と放射能の関係が問題になりました。マンガを掲載した編集部は「ご批判

  • そしてみんなネオリベになった 週刊プレイボーイ連載(82) – 橘玲 公式BLOG

    2012年は民主党から自民党への政権交代で幕を閉じ、安倍政権への期待から株価は大きく上げて新しい年が始まりました。とはいえ、経済ばかりでなく外交や安全保障など問題は山積しており、波乱を予感させる年明けです。 今回の選挙の際立った特徴は、投票率が59.32%と戦後最低を更新する低さだったことです。第一党となった自民党の比例での得票率は27.62%ですから、「投票しない」という意思表示をしたひとはその1.5倍もいたことになります。 経済学では、人間が完全に合理的であれば選挙などに行くわけがない、と考えます。国政選挙では自分の1票が候補者の当落に与える影響力はほとんどゼロですから、貴重な休日にわざわざ投票所まで出かけていく費用対効果もゼロで、投票率は業界団体や宗教団体など、投票の動機が明快なひとの数で決まることになります。 実際には、投票率はこのシニカルな仮説をはるかに超えていて、「ひとは常に経

    そしてみんなネオリベになった 週刊プレイボーイ連載(82) – 橘玲 公式BLOG
  • なんだ、エネルギー危機もなかったのか【書評】 – 橘玲 公式BLOG

    以前、川島博之氏の『「作りすぎ」が日の農業をダメにする』を紹介したが、ここではエネルギー問題について“常識の嘘”を暴いた『電力危機をあおってはいけない』を取り上げたい。 システム分析を専門とする川島氏は、マクロのデータから世間一般の常識を覆す“コロンブスの卵”的な結論を導き出す。それはとても説得力があって、「なんでこんなことに気がつかなかったんだろう」と不思議に思うほどだ。 書の主張は、端的に1行で要約できる。 「人口が減れば、電力消費も下がる」 日は2005年前後を境に人口減少社会に移行し、2015年からは世帯数も純減に転ずる(これまでは独居世帯の増加で人口減でも世帯数は増加していた)。その影響を考えれば、30年ほどで原発からの電力供給は必要なくなる。「卒原発」は荒唐無稽でもなんでもない。 もちろん、「そんなのは机上の計算で、将来、エネルギー資源が枯渇したらどうなるのか?」という批

    なんだ、エネルギー危機もなかったのか【書評】 – 橘玲 公式BLOG
    umeten
    umeten 2012/12/23
    >日本のエネルギー問題を解決するために私たちになにができるだろうか?/節電すればいいのだ。/日本人は、世界的にみても電力を使いすぎだ。それも、/家庭部門で急速に伸びている。
  • 日本の女性の3人に1人は貧困を経験している – 橘玲 公式BLOG

    社会学者・岩田正美の『現代の貧困』を読んでいたら考えさせられるデータがあったので、備忘録としてアップしておきたい。 岩田によれば、たとえ日社会の貧困率が高くなっていても、それだけで問題だとは限らない。貧困層の多くが20代の若者で、30代になれば貧困を脱し、40代や50代ではそれなりの蓄財ができるかもしれない。こうした貧困は「人生のスパイス」のようなもので、国家が救済する必要はない。 貧困が社会問題になるのは、それが固定化してしまうからだ。「貧困」を論じるには、一時的な貧困と固定した貧困を分けて考えなくてはならない。欧米ではこうした議論から、一人の人生を長期にわたって追跡するパネル調査(ダイナミック分析)が主流になっているという。 ところが岩田も嘆くように、日ではダイナミック分析はおろか、それ以前の静態的な分析についてもじゅうぶんなデータがない。日貧困問題は、研究者が限られたデータを

    日本の女性の3人に1人は貧困を経験している – 橘玲 公式BLOG
  • 書評:東浩紀『一般意志2.0』 – 橘玲 公式BLOG

    話題になっている東浩紀『一般意志2.0』をとても興味深く読んだので、その感想を書いておきたい。 書のいちばんの美点は、きわめて平易かつ明晰に書かれていることだ。私のような哲学の専門外の者でも、著者の思考の航跡を正確に追っていくことができる。 すでのたくさんのレビューが出ているが、東氏はここで、「複雑になりすぎた現代社会では、ひとびとが集まって熟議によってものごとを決める理想的な民主主義はとうのむかしに不可能になった」と指摘したうえで、そのことを前提として、熟議なしでも機能するアップデートされた政治制度(民主主義2.0)や国家(統治2.0)の可能性を論じている。 書についての議論は、東氏が「ツイッター民主主義」と名づけたような、SSNを組み込んだ政治制度(アーキテクチャ)がほんとうに機能するのか、ということに集まるのだろう。だが私にとって書のもっとも美しい場面は、東氏の語る「夢」が、ロ

    書評:東浩紀『一般意志2.0』 – 橘玲 公式BLOG
  • 東京電力は本来の場所へ帰っていくだろう – 橘玲 公式BLOG

    原子力損害賠償支援機構法が国会で成立した。 この法案では、新たに設立される「機構」は東京電力に対し無制限に資金提供できるのだから、東京電力が債務超過に陥ることはなく、電力債や融資などの債権は100%保護されることになる。修正された法案では、「株主その他の利害関係者に対し、必要な協力を求める」ことになっているが、仮に金融機関が利子の減免などに応じたとしてももかたちだけのものだろう。 すでになんどか述べたが、会社法では、株主と債権者の責任を明確に定めている。未曾有の災害を引き起こしたにもかかわらず債権者が免責されることは私にはとうてい納得できないが、法案が成立した以上、新機構のもとで被災者に一刻も早く適切な賠償が行なわれることを望みたい。 そのうえで、今回の法案で東京電力が今後、どうなるかを考えてみたい(以下は、あくまでも私見である)。 このスキームでは、原発事故の賠償が国民負担とならないよう

    東京電力は本来の場所へ帰っていくだろう – 橘玲 公式BLOG
    umeten
    umeten 2011/08/11
    >電力料金が据え置かれている現在は嵐の前の静けさで、早晩、その引上げが大きな政治的混乱を招くことは避けられない/東京電力の株価は、本来の価値であるゼロに向かって収斂していくことになるだろう
  • “国家破産”の街アテネを旅して(2) – 橘玲 公式BLOG

    ギリシアの経済危機は、どこかマンガじみている。 そもそもこの国は、野良犬と並んで公務員の数がものすごく多い。ギリシアの経済学者はこれを「公務員爆発」と呼ぶが、その数は財政危機にもかかわらず加速度的に膨張している。 この不思議な社会の仕組み報告した毎日新聞記者の藤原章生は、ギリシアの公務員問題について、労働省のエリート官僚の次のような証言を紹介している。 新たな政権ができると、官僚の顧問や局長職は総入れ替えになり、それぞれの閣僚や次官ら政治家たちが好きなように身内や友人、支援者、または自分で探してきた人物をそのポストに招く。こうした人々は「臨時雇用」という形で来るが、この国の問題は彼らがいつの間にか「正規雇用」になっていて、政権が交代しても解雇されないこと。 前から同じポストにいた人はどうなるかと言うと、解雇されず、別のポストに行くか、ひどい場合、同じ局長のポストに2人がいるなんてこともある

    “国家破産”の街アテネを旅して(2) – 橘玲 公式BLOG
    umeten
    umeten 2011/06/27
    ギリシアの「公務員爆発」について
  • “国家破産”の街アテネを旅して(1) – 橘玲 公式BLOG

    ギリシアの財政危機が世界経済をふたたび揺るがしはじめました。 昨年(2010年)末にアテネを訪れ、それについて短い文章を書きました。今年の春に予定していた新刊のためのものですが、東日大震災で企画そのものを取り止めたため発表の機会がなくなり、そのままになっていました。 ギリシア危機の報道で思い出したので、半年ほど前の話ですが、2回に分けて掲載します。 *                   *                   *                   *                   *                   *                   *                   * アテネは野良犬が多い。それも大きくて、やたらなれなれしい。カフェでコーヒーを飲んでいると、いきなりテーブルの下に潜り込んできたり、膝に頭を乗せてきたりする。最初は

    “国家破産”の街アテネを旅して(1) – 橘玲 公式BLOG
    umeten
    umeten 2011/06/27
    >毎日のようにデモが行なわれているためか、このあたりの間合いは双方が習熟していてめったに怪我人はでない(2010年5月のデモで/男女3人が煙に巻かれて死亡したが、デモによる死者としてはこれがほぼ20年ぶりだった)
  • いずれ君たちは思い知るだろう – 橘玲 公式BLOG

    東京電力の損害賠償をめぐる政府支援の枠組が決まった。私は日国の一介の納税者として、また東京電力の一利用者として、この決定にささやかな疑問を持っている。 政府の決定では、東京電力の賠償額に上限は設けないのものの、株式の上場を維持し、社債などの債権もすべて保護されることになった。それでどうやって莫大な賠償資金を捻出するかというと、東京電力の毎年の利益から国に返済するのだという。 ところで東京電力の商品は電力しかないのだから、「利益」というのは利用者が支払う電気料金のことだ。電力は地域独占なので、電気料金が値上げされれば利用者には抵抗する術がない。すでに多くのメディアで、「電力料金の大幅な値上げは不可避」と報じられている。 ここで、私の最初のささやかな疑問だ。 これは要するに、東京電力が利用者から原発事故の賠償資金を取り立てて、それを被害者に分配するということではないのか。 もちろん政府はこう

    いずれ君たちは思い知るだろう – 橘玲 公式BLOG
  • 日本人はなぜ自殺するのか? – 橘玲 公式BLOG

    では、毎年3万人を超えるひとたちが自らの意思で死を選んでいる。これは、「市場原理主義」による改革により、日人の安心が奪われてしまったからだと説明される。 だが国際的な自殺率の比較を見ると、日の自殺率(10万人あたりの自殺者数)が24.4なのに対し、市場原理主義の国アメリカの自殺率は11.0、イギリスにいたっては6.4だ。この統計を素直に解釈すれば、日をアングロサクソン型の市場原理主義国家にすれば、年間1~2万人のひとが自殺から救われることになる。市場原理と改革を声高に批判するひとたちは、これをどのように説明するのだろう。 年功序列と終身雇用は真面目に働く労働者にやさしいシステムで、それを「市場原理主義者」が成果主義で破壊したために、追い詰められたサラリーマンが自殺していく、というのが定番のストーリーだ。でもかつて、サラリーマンはほんとうにそんなに幸せだったのだろうか。 『残酷な世

    日本人はなぜ自殺するのか? – 橘玲 公式BLOG
    umeten
    umeten 2010/12/08
    >『残酷な世界~』で紹介したけれど、「日本人はむかしから会社が大嫌いだった」というデータをアップしておきたい。
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