【原巨人の終幕(上)】19日、読売新聞東京本社で開かれた退任会見。チームカラーであるオレンジ色のネクタイを締めた原辰徳監督(57)は、笑みを浮かべて着席すると、晴れやかな表情で「ここ3年ほどはチーム力が低下し、明らかに成績が落ちてきた。そろそろこの辺が潮時であり、チームには新陳代謝が必要であろうと。そろそろ新しいリーダー、監督にバトンを託すことが、ジャイアンツにとっても、プロ野球にとっても正しいと思った」と改めて自らの口で、身を引く決意を固めた経緯を語った。 一見、円満ムード満点だったこの日の会見。だが「新陳代謝」や「新しい風」という言葉だけでは、監督交代劇に至った真の理由は伝わってこない。原監督はなぜ、去らねばならなかったのか。 球団内にその兆候が表れたのは、今年5月。原沢GM(当時)が、前触れもなく、突如GM職を解かれたのだ。原沢氏といえば、あの“清武の乱”後、玉突き的に同職を任されて