自分の意思に反して不安な考えが浮かんできて(強迫観念)、その考えを打ち消そうとして同じ行動を繰り返す(強迫行為)。これが強迫性障害(強迫神経症)の主な症状です。 思春期の子どもに強迫症状が起こると、正しい発達の道筋を進めなくなってしまう危険があります。繰り返し浮かんでくる不安に、「対処しなければ」との強迫観念にとらわれてしまい、友達との交流や勉強が妨げられ、日常生活に支障をきたしてしまうのです。さらに、強迫症状の対処を巡って、「幼児返り」の状態に陥って、昔の母子関係に後戻りしてしまい、そこから抜け出せなくなってしまうこともあります。 《「いくら手を洗っても、まだ汚れている感じがする」「火の元が気になって、何度も確認する」――。なんらかの不安が生まれ、それを打ち消そうとして、同じ行動を繰り返してしまう。自分では不合理だとわかっていても、たびたび不安が浮かんでくることで、日常生活に支障が出てし
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