大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が飛び降り自殺したことを巡る全校生徒アンケートで、「自殺の練習をさせられていた」との回答を市教委が公表していなかったことについて、4日に記者会見した沢村憲次教育長は「事実と確認できなかったため公表しなかった。隠したわけではない」と述べ、対応に問題はなかったとした。そのうえで、「可能な限り、いじめの事実を調べた」として、現時点では追加調査などはしない考えを示した。 市教委はこの日、男子生徒が亡くなった直後に実施したアンケートで、「自殺の練習をさせられていた」と回答した生徒を16人とした。このうち4人は記名で回答していたため、市教委は聞き取り調査をした。 この生徒らの記載は伝聞によるものだったことから、4人に話したとされる生徒からも事情を聞いた。しかし、自分でその場面を見たとは言わなかったという。 さらに、無記名だった生徒の回答にも、場面
離れた場所にいる人がそばにいるように感じるヒト型ロボット「テレノイドR1」(1日午後、大阪市北区で)=森田昌孝撮影 遠くにいる人が、自分の隣にいるように感じる小型のヒト型ロボット「テレノイドR1」を、大阪大の石黒浩教授らの研究チームが開発し、1日、大阪市内で公開した。 目や口など人として最小限の外見を備え、高さ80センチ、重さ約5キロ。表面はシリコーン製で、人の声や動作をパソコンで解析し、インターネット経由でテレノイド内のスピーカーから声を再現し、同時に口や手、目、首がモーターで動く。 石黒教授は「一人暮らしのお年寄りの孤独感を癒やすことなどが目的」という。例えば、遠隔地で暮らす孫と話す際、テレノイドをそばに置き、触れることで、孫がそばに感じられる。 実演では、孫役の女児の「おじいちゃんの家に遊びに行きたい」という声が、テレノイドから発せられ、祖父役の男性が「たまには会いたいな」と、テレノ
奈良県立奈良病院(奈良市)に勤務する産科医の当直勤務は違法な時間外労働に当たるうえ、割増賃金も支払っていないとして、奈良労働基準監督署が、同病院を運営する県を労働基準法違反容疑で書類送検していたことがわかった。同病院は昨年4月、産科医2人が当直勤務に対して割増賃金の支給を求めた民事訴訟の奈良地裁判決で、計1540万円の支払いを命じられ、控訴審で係争中。公立病院の医師の勤務実態に関して、刑事責任を問われるのは異例という。 捜査関係者らによると、同病院では、産科医らが当直中に分娩(ぶんべん)や緊急手術など通常業務を行っているが、病院は労基法上は時間外労働に相当するのに割増賃金を支払っていなかったうえ、同法36条に基づき、労使間で時間外労働や休日労働などを取り決める「36協定」も結ばず、法定労働時間を超えて勤務させた疑い。 昨年4月の民事訴訟判決で、奈良地裁は「当直の約4分の1の時間は、分娩や緊
兵庫県が宝塚、西宮両市境に建設を検討していた武庫川ダムが事実上、中止になったことがわかった。県は、今後20年間の県の河川整備方針となる「武庫川水系河川整備計画」原案に建設を盛り込まず、26日、諮問機関「武庫川流域委員会」に示した。県では堤防強化などの治水対策の強化に転換する。 原案は同ダムについて「合意形成が困難」「完成まで十数年を要し、その間は整備効果が発揮できない」とした。今後、同委員会での審議などを経て、2010年度内にも計画を国土交通省に提出する。 県は、1993年に同ダムの建設事業に着手。総工費300億円のうち、約15億円を投入したが、「自然環境が破壊される」と反対運動が起こり、2000年に貝原俊民・前知事が「ゼロベースから検討する」と表明。その後、同ダムの建設可否を含む治水対策を検討していた。
昨年11月に開かれたパーティーでにこやかに握手をかわす橋下知事(右)と平松市長。「府市再編」では、ぎくしゃくぶりが目立つ 2月6日に就任2年を迎える大阪府の橋下徹知事が今年に入り、大阪府と大阪市を解体・再編する構想に繰り返し言及し、波紋を広げている。来春の統一地方選をにらみ、府市再編を公約にした政治グループ結成も目指しており、「残り任期で一世一代の大勝負を」と意気込む。ただ、肝心の平松邦夫市長は「知事の発想は地域主権にそぐわない」と反発。府市連携を合言葉に蜜月ぶりをアピールしていた2人だが、再編問題では溝が深まっている。 「大阪市、大阪府を解体して、強い大阪を作らなければならない」。橋下知事はベトナム、シンガポール出張から関西空港に帰国した26日、報道陣に改めて府市再編構想をぶち上げた。「面積も資源もないシンガポールの発展は政治の力。大阪は潜在力があるのに、行政が台無しにしている」 16日
人類は火星にたどり着くのか――。往復520日間という火星への有人飛行を想定し、人体などへの影響を調べる実験が来年前半、ロシアで始まる。実験を行うモスクワ市内の医学生物学問題研究所で、準備の進む施設を見た。 模擬宇宙船は4階建ての建物の中にあり、総面積約550平方メートル。操縦棟、居住棟、医務棟など、5棟から成る。円筒形の各棟は内部に木材が張られ、木の香りが心地よい。だが、天井はわずか3メートル。窓はない。 被験者は宇宙船内から1歩も出ずに生活する。外部との連絡は原則的に、電子メールだけ。病人、けが人が出ても医務棟だけで治療する。機器の修理も自力で。毎日8時間を実験や検査にあて、1時間の自転車こぎで体力保持を図る。休日は週2日。息抜きはサウナ、シャワーとテレビだけだ。 「火星との往復では飛行士の緊急脱出や水・食料の補給は不可能。これが地球の周りを回る国際宇宙ステーションとの違いだ」と、施設管
大阪市の第3セクタービル・大阪ワールドトレードセンタービルディング(WTC)への大阪府庁舎移転問題で、橋下徹知事は30日、府庁で報道陣に、現本庁舎を残したまま、WTCビルを買収する「第2庁舎案」について、「否定はしない。最後まであらゆる可能性を探る」と述べた。可決には府議会で「3分の2」以上の賛成が必要な庁舎移転条例案が否決される公算が大きいことから、現実路線で府議会との接点を探る狙いとみられる。 庁舎移転条例案とセットで府議会に提案しているWTCビル買収のための補正予算案は過半数の賛成で可決できる。3月議会では、議会の過半数を占める知事与党の自民、公明を中心に、補正予算案だけを通過させる第2庁舎案が浮上したが、橋下知事は「府民に分かりにくい」と拒否していた。 自民党の中堅府議は「知事が現実的な議論をする姿勢を示せば、過半数はとれるかもしれない」と、知事発言を評価した。
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