改正された刑法の性犯罪規定が7月、ついに施行された。改善すべき点はまだあるが、それでも歴史的な一歩と言える。理由は、多くの被害者が泣き寝入りさせられてきた要件が取り除かれたためだ。 これまでは、被害を訴えても「必死に抵抗した立証できないから立件できない」と言われがちだった。しかし、実際は恐怖で体が凍り付いたり、突然のことで混乱するなど抵抗できなかったりするケースが多い。今回の改正では、そうした被害実態を踏まえた形になった。 改正の原動力になったのは、被害者たちの声。長年、沈黙してきた人々が、街角や法改正を議論する場で、勇気を出して訴えたためだった。 性暴力の被害当事者団体「Spring」で活動を重ねてきた金子深雪さんもその1人だ。「被害者が同意していなかったことに重きが置かれた。『嫌よ嫌よも好きのうち』といった加害者に都合のいい解釈にノーを示せる」(共同通信社会部記者) ※この記事は性暴力