7月上旬、トルコ西部のダーダネルス海峡を挟んでアジア側とヨーロッパ側の両方にまたがるチャナッカレ県を訪れた。足を運んだヨーロッパ側の港町ゲリボルは、アジア側とを結ぶフェリーの発着港である。 90年ほど前、魚の塩漬けが商売として始まり、その後、缶詰の製造でにぎわった。小イワシで有名になった町としてだれもが知っている。缶詰製造は衰退したが、町中にはまだ数店舗でイワシの塩漬けやオイル漬けの缶詰が売られており、小イワシの町の歴史を感じさせる。 わざわざ訪れたのは、6月中旬から9月末までが最も小イワシに脂が乗っており、美味と聞いていたから。毎年、市が開く小イワシ祭りは今年で20回目。小さな港を囲むように露店が並び、グリルで焼いた魚がパンにサンドされ、来訪者に配られる。 小イワシは10センチ強の大きさ。3人家族にちょうどよい1キロで15トルコリラ(約750円)。4人なら1・5キロを買うそうだ。魚は庭や