通常国会はきょう、会期末を迎える。 国民の命と生活、そして経済活動を脅かしている新型コロナウイルスの感染拡大はなお収まっていない。従来以上に国会の議論が重要な時だ。にもかかわらず与党は会期を延長せず閉会する方針だ。 連動するように、先に成立した第2次補正予算には10兆円に上る巨額予備費が計上された。その具体的な使途は政府に委ねられる。これでは、あとは政府に白紙委任するから国会質疑など不要だと言っているようなものだ。 延長を拒む理由は明らかだ。 後手に回るコロナ対策への不満や検察人事問題などから安倍晋三内閣の支持率は急落している。 最近では持続化給付金の不明朗な民間委託問題も発覚した。今後は自民党の河井案里参院議員と夫の克行前法相の公職選挙法違反疑惑の捜査が進む可能性もある。 通常国会開会直後の大きな焦点だった「桜を見る会」をめぐる疑惑も何ら決着していない。首相や与党はこれ以上、国会で追及が