弱視の子どもが使いやすいノートを、自身も弱視者である東京都杉並区の伊敷(いしき)政英さん(38)がつくった。ノートの名は「KIMINOTE(きみのて)」。表現する楽しさを知り、自分のこと、弱視のことを社会に伝えられるようになってほしい。そして、君の手でよりよい社会を作ってほしいという願いを込めた。 障害者向けのウェブサイト制作を支援する伊敷さんの矯正視力は右目が0・02、左目は光を感じる程度で、幼いころからノートへの筆記に苦労してきた。 普通の市販ノートの罫線(けいせん)は細く、色が薄い。弱視者にとって見づらく、文字がはみだしたりまっすぐ書けなかったり、なかなかきれいに筆記できなかった。弱視者向けのノートはあったが、大人向けの地味なデザインで子どもが喜ぶ絵表紙のものはなかった。 昨年、弱視の女児がいる知人から「市販の弱視対応のノートはかわいらしくなく、学校に持っていきたくないと言っている」