『ダンケルク』公開初日に大阪のエキスポIMAXで2回観てきました。 映像が強すぎて、エンドロールで緊張が切れたところで溜息がこぼれました。ノーラン監督が宣伝で「観客をダンケルクの戦場に連れていく」的なこと言ってるのを見て、セールストーク乙と聞き流してましたが、誇張ではなかった。息がつまりすぎて上映時間の106分が3時間程度に感じられました。以下ネタバレ。 ノーランは常に物語の「虚構性」と向き合ってきた作家です。『メメント』では主人公が自分自身を欺き、『ダークナイト』では英雄としてのハービーを死守するためバットマンが罪を被りました。『インセプション』でも記憶の上書きが重要なモチーフです。物語には強烈な力があり、しかもそれはしばしば「嘘」と密接に結びつく。物語は虚構的であればあるほど強度を増す。『ダンケルク』は史実に基づいたドラマですが、クライマックスではそんな虚構の力を利用していて凄まじかっ