「創立150年の節目に当たってさまざまな事業を立ち上げてきた。これから清家君が立派にやってくれると思っている」。慶応義塾の清家篤新塾長を紹介する安西祐一郎塾長のあいさつには、“未練”がにじんだ。会見では150年記念事業中の「塾長交代」について明確な理由は示されなかった。慶応大の関係者には「歴代塾長はほとんどが人文系出身で、理工学部出身の安西塾長への学内の反発が『3選』を阻んだ」との見方が強い。 安西塾長は北海道大助教授などを経て、平成13年に塾長に就任。20年4月に共立薬科大との合併を実現するなど、積極的な経営を進める一方、「ガバナンス委員会」(委員長・瀬戸雄三アサヒビール相談役)を学内に設けて運営組織の見直しに着手した。対象は各学部長の選任方式にもおよび、大学関係者は「ここ1年は安西氏に対し学内の反発が高まっていた」という。 歴代塾長は昭和40年代後半に1期だけ工学部長出身者が務めたが、