ナチスの反省から軍縮を歓迎し、軍隊にある種のアレルギーを抱いていたドイツが、ロシアのウクライナ侵攻を機に軍備増強へ舵を切っている。国防費の増加だけでなく、若者の兵役への関心も上昇。軍隊と愛国心に対するドイツ人の心境の変化に迫った。 国防省に問い合わせが殺到 マヤ・ザクライセク(19)は、子供のころに教わった言葉を深く心に刻んでいる。 「二度と過ちは犯さない」 ナチスの反省から現代ドイツが誓った信念だ。そう教えられた彼女は軍隊に疑問を持ち、平和な国で育ったことに感謝するようになった。 しかし今、ロシアのウクライナ侵攻を受け、ザクライセクはこの言葉の意味を考え直している。彼女はドイツが侵略や大量虐殺をすることは二度とないと固く信じている。だが、戦争の準備をしたり参加したりすることも二度とないだろうか。 突如としてそれは甘い考えに思えてきた。欧州に国家間の戦争が戻って来たのだ。「こんなことが起こ